ダメ高校とは何か?-競争原理を進める大阪府・高校改革-

2010.04.24

ライフ・ソーシャル

ダメ高校とは何か?-競争原理を進める大阪府・高校改革-

中土井 鉄信
合資会社 マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表

人気が低ければ、数年後に、あたなの母校もなくなるかもしれない。橋下徹知事の主導のもと、大阪府でいよいよ今年から高校改革が本格化する。高校間の競争を煽る今回の改革を私は画期的なものだと思っているが、懸念材料もある。少々、覚書として書いておきたい。

公立高校VS公立高校、私立高校VS公立高校

 大阪府の橋下徹知事の高校改革が、いよいよ本格化しつつある。
 大阪府の高校改革の要旨を一言で言えば「競争原理」を、これまで以上に導入するということだ。

 朝日新聞(2010年3月8日)の記事を参考にして今回の改革の要旨をまとめておこう。

 ①公立高校同士の進学競争

 公立高校改革では、「進学指導特色校」を設け有名大学への進学実績を競い合わせるようにする。「進学指導特色校」には旧学区のトップ校など10校(北野・豊中・茨木・大手前・四條畷・高津・天王寺・生野・三国丘・岸和田)が選定された。
 ただし、この指定は固定的なものではなく、今後は、進学実績が芳しくない高校は指定から外され、他の高校と入れ替えられるという制度を橋下知事は導入しようとしている。
 また、芸術やスポーツの分野でも高校同士を競わせ、特色ある学校づくりを目指すという。

 ②公立高校と私立高校の競争

 鳩山政権の公立高校の授業料無償化とあわせ、大阪府では私立助成を大幅に拡充し、公私間の授業料格差を無くす。「公立は経済的な負担が軽く、私立は重い」という従来型の構図を解消し、家庭の経済事情にかかわらず、私立・公立を問わず学校を選べるようにするためだ。これにより、私立と公立高校間の競争が加速化されることとなる。

 ----上記のような競争原理の導入により、各高校間での生徒獲得競争を推し進め、教育の質の向上につなげようというのが、今回の大阪府の高校改革の主旨だ。

教育の質で自由競争を促す画期的な大阪府の高校改革

 まず、最初に言っておきたいのだが、各高校が競い合い魅力ある学校づくりに励めば、全体として教育の質の向上につながるという橋本知事の改革を、私は画期的なものだと思っている。

 公立高校・私立高校の授業料という垣根を取っ払って、教育の質で自由競争を促す試みは、評価できる試みだ。公立・私立を問わず、選ばれる学校作りを徹底的に行なってほしいという願いがこの改革にはあるのだろう。

 この願い自体は、大変にいいことだし、私もこの思いに賛成だが、しかし、よくよく考えてみると懸念材料も浮かびあがってくる。単純に、全面賛成というわけにはいかないのだ。

生徒・保護者への迎合主義に教育が堕落する!?

 まず、この改革の背景にある「人気」という尺度に対して疑問がある。それは、教育を、サービス業と同じように考えていないかということだ。

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中土井 鉄信

合資会社 マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表

1961年、神奈川県横浜市生まれ。 現在、合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表。 NPO法人 ピースコミュニケーション研究所理事長。

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