電子化は雑誌の“救世主”になるのか?

2010.03.29

経営・マネジメント

電子化は雑誌の“救世主”になるのか?

ITmedia ビジネスオンライン
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出版不況が深刻化している昨今。電子化の波に乗ろうと、各社が雑誌のデジタル配信に取り組んではいるが、成功しているところがあるとは言いがたい。雑誌が生き残るためにはどうすればいいのか? その条件を考えてみた。 [郷好文,Business Media 誠]

 紙雑誌は人の読み方・仕草に合わせて育ってきたメディア。長きに渡り人の手で育てられてきた。だからこんなにバラエティに富んでいる。かたや電子雑誌では「どこでもダウンロード」「検索」「マウスオーバー/スクロール」「照度調節」「電池のある限り」「読み上げ」「バラ売り」とずいぶん違う。紙雑誌と電子雑誌、どうやら別モノではないかと私は思うのだ。

バラ売り


 電子雑誌が雑誌の読み方を変えそうな要素もある。それは記事の「バラ売り」である。

 2009年、開始前に休止に追い込まれた「コルシカ」。これは記事のバラ売りではないが、印刷雑誌の販売サービスで、ページをスクラップして管理することができた※。音楽ではiTunesストアのダウンロード曲数が 100億曲を突破したそうで、たぶん1曲99セントのバラ買いが大半だ。
※お詫びと訂正 3/4 12:55 記事初出時にコルシカは記事のバラ売りを志向していたと書いていましたが、誤りでしたので、記事内容を修正しました。読者の皆さまにはご迷惑をおかけいたしました。

 だが、特定の記事だけ買うというスタイルは雑誌でも普通になるのか? そうそう、こんなことはあった。店頭で買いのがした『Papyrus』(幻冬舎)3号がどうしても欲しくて、幻冬舎本社に電話までした。すると「在庫切れです」とサービス係の答え。

 「特集の、後藤久美子さんのグラビアページだけでいいんですが」と食い下がる私。

 「そういうワケにはまいりません」

 すげないんだから。バラ買いならこんな時、便利だ。経済的だし、電子化のメリットになりそう。何か調査をするならバラのニーズは強い。余談だがページ売りでライターに印税が入るシステムができるなら、貧乏ライターも救済される。でもバラ買いは、くつろいで読む雑誌本来の読まれ方ではないと思う。

雑誌の楽しさとはドリーミング


 雑誌の楽しさの私の原体験を語ろう。小学校低学年のころの愛読誌は『タミヤニュース』。プラモデルの田宮模型が発行するPR雑誌だ。当時ハマっていた1/35ミリタリーシリーズの新製品情報を始め、小さな定期購読冊子を隅々まで読みふけった。机で読み、布団の中で読み、一字一句メモリーした。「シュビムワーゲン(水陸両用軍事車両)の発売まであと10日だ」と指折り数えては夢をふくらませて忘我した。

 中学生になるとエロ雑誌で忘我した。いかにも高校生という顔をして、恥を忘我してレジに向かう。火照る顔、ドキドキする胸。お金を払う。心臓の鼓動を包装紙に包んだエロ本でおさえ、店を出る。帰り道は秘密を持つ少年だ。1人になりページをめくる。美姿態に忘我した。

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