売れるべくして売れた「ポメラ」ヒットのカラクリ

2010.02.15

営業・マーケティング

売れるべくして売れた「ポメラ」ヒットのカラクリ

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

キングジムが出した電子メモ「ポメラ」が好調だ。発売初年度には当初計画比の3倍もの売上となり、ニッチとはいえ大ヒットとなった。その、マーケティングのお手本ともいえる戦略を考えてみる。

プライシング、プロモーションそして流通

このポメラが27,000円ぐらいで発売された。ネットブックのように通信とセットで0円とはいかないものの、単品価格で比べればざっと半額、ちょっと高級なシステムノートとくらべても、少し高いぐらいで絶妙な値付けだと思う。

プロモーションは、ターゲットが好んで読む情報誌を中心に、ネット上でもいろいろ仕掛けられたようだ(実際には、ネットの情報サイトが「これはおもしろい」と飛びついて記事を書いたのか、ペイパブとなっていたのかははっきりしないが)。

そして流通は家電量販店に加えて、当然文具チャネルも使われた。筆者の知る限りでは、文具店ではカウンターそばか手帳売り場、大手の書店でも見かけた。売り場の多様性、かつメモオタクが集う場所をピンポイントで狙った流通戦略の巧みさは、ネットブックの比ではない。

新機種は強気の値上げ

そして去年の暮れに上位機種が発売された。旧モデルで不満の出ていた文字入力数を大幅に増やし、データ移行をより簡単にできるよう改善されたモデルである。値付けは、旧型機の3割増しとなっている。

このプライス戦略をどう見るかは意見の分かれるところかもしれない。しかしポメラには絶対的な強みがある。競合が存在しないのだ。完全なる独占市場、そしてそもそもヒットするといっても百万台規模の販売を考えているわけではない。

だから、あえて適正利益(=ターゲットが納得してくれる価値に見合った対価)を削る必要はないと判断したのだろう。製品開発には、まずSTPを考え、然る後に4P戦略に落とし込むこと。『ポメラ』の成功事例は、その重要性を再確認させてくれるモデルケースだ。

※参考
日経MJ新聞2010年2月3日付3面
日本経済新聞2010年2月11日付

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