キリンVS.サントリー?「世界のハイボール」は実は根が深い!

2010.02.15

営業・マーケティング

キリンVS.サントリー?「世界のハイボール」は実は根が深い!

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 「ハ~イボ~ル、ハ~イボ~ル♪」。ディズニー映画・白雪姫の劇中歌をナインティナインの岡村隆史が大航海時代風の帆船の上で高らかに歌うCM。キリン・「世界のハイボール」だ。

 サントリーにとってはハイボールは「ウィスキーの炭酸割り」でなければならない。「スピリッツなら何でもいい」なら、今まで発信してきたメッセージと矛盾を起こす。これは、サントリーが自ら開拓した「ハイボール市場」でのリーダー企業に君臨したことを見た、キリンが仕掛けた「理論の自縛化」の罠だ。
 さらに、「ハイボール」自体に豊富なバリエーション展開によって、さらにヒットする可能性があったとしても、サントリーは豊富な自社のウィスキーブランドにつなげなければ意味がない。むしろ、せっかくウィスキーに目が向きかけた消費者の視線をスポイルしてしまう。リーダー企業が強みとしてきた製品と共食い関係にあるような製品を出すことによって、リーダー企業に不協和を起こさせる「事業の共食い化」をキリンが仕掛けたと解釈できる。

 企業規模としては勝るキリン、ウィスキー市場ではリーダーのサントリー。その両社は、市場定義毎に攻守ところを変えて激しい戦いを繰り広げている。
 キリンとサントリーの合併破談が伝えられたばかりだが、全く別の世界、時間軸で「世界のハイボール」は企画され、上市され販促も強化されている。経営統合という最上位の意志決定と遠い現場では、日々、淡々と、しかし火花を散らして戦いが展開されているのだ。

※「理論の自縛化」「事業の共食い化」は 『逆転の競争戦略』・山田英夫・著 を参考にしました。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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