知的なボランティア、「プロボノ」

2010.01.30

仕事術

知的なボランティア、「プロボノ」

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

米国では弁護士などを中心に、NPOなどの非営利団体に対し、ボランティアでスキルや知識を提供しているという「プロボノ」という仕組み。日本でも新しいワークスタイルとして定着するか。

昨年の12月5日、「プロボノフォーラム」なるものが開催された(NPO法人サービスグラント主催)。プロボノとは、ラテン語で「pro bono publico」、(公共善のために)を語源とし、すでにアメリカでは、米国では弁護士などを中心に、NPOなどの非営利団体に対し、ボランティアでスキルや知識を提供しているという。その牽引役となっているのが、タップルートファウンデーションというNPO団体であり、すでに25,000人もの登録メンバーのもと、プロボノ活動を専門に行っている。

このフォーラムでは、「2010年はプロボノ元年」とし、スキル・ボランティアという新しいワークライフスタイルの概念を提唱し、参加を呼びかけた。300名を超える多岐にわたる職業の人たちがこのフォーラムへ参加し、関心の高さを物語っていた。

このプロボノが他の単なる寄付などのボランティアと異なるのは、自分のスキルを登録し、簡単なインタビューを受けたあとに、プロジェクトの案内が来るというシステムになっているのだが(NPO法人サービスグラントWebサイトによる)、そこで、主催するNPOの主旨に賛同し、自分の持つスキルを活かすことができるかを自分で判断し、週5時間を目安に、自分の仕事の都合に合わせて参加できるという点にある。また、通常ボランティアというと、誰でもできることを少しずつ手伝うというイメージが少なからずあるが、このプロボノは、あくまでプロフェッショナルなスキルや知識を少しの時間でいいから提供するという仕組みであり、結果としてNPOの活動を全面的に支援することにつながる。

NPOの中には、志高くNPOを立ち上げたにも関わらず、経理の知識がなかったり、マーケティングのスキルを欠いていたりすると、組織としての運営がうまくできなくなるNPOもある。また多くのNPOはぎりぎりの資金運用でまかなっているところが多いために、簡単にプロフェッショナルに協力依頼できるわけでもないだろう。

このプロボノは、そうした組織運営としての課題、NPOを長期的な成功へと導くために必要な部分を、プロフェッショナルなスキルを持った人たちからボランティアで提供してもらおうという仕組みであり、社会貢献はしたいと思いながら、きっかけをつかめずに何もできずにいる高度なスキルを持ったビジネスマンにとっては、とても魅力的な仕組みに映ることだろう。

もともと日本人はボランティア気質に高く、国内、国外での自然災害においても、応援、サポートへ多数の人が参加している。しかし、ボランティアしようと思っても、どこに登録し、どう動けばいいかわからなかったり、自分の仕事をしながら少しでもボランティアしたいと思っても都合のいい条件のボランティアは見つからないと感じたりする人たちは多い。

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