地方活性から日本再生へ 知事の思いは今・埼玉県上田清司知事3

2010.01.29

経営・マネジメント

地方活性から日本再生へ 知事の思いは今・埼玉県上田清司知事3

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

改革は地方から。ここ数年目立つのが、元気で、はっきりと物を言う知事たち。言行一致で改革を進めるその活躍ぶりは、日本の将来に明るさを感じさせる。地方自治の要、都道府県政を指揮する知事は、企業に例えるなら経営者である。様々な抵抗を打ち砕きながら、改革を遂行する考え方、行動力はマネジメントの良き手本となる。知事の改革を紹介、シリーズトップバッターを飾っていただくのは、埼玉を劇的に変えた上田知事である。

天下り先を若手の育成機関として活用すれば、国政も大いに変わることだろう。



■チャンスを多くすること

「私の政治哲学でいえば、行政が何よりやるべきはチャンスを増やすことなんです」

結果の平等などではなく、機会の平等とも少しニュアンスが違う。とにかくチャンスがたくさんあることが大切なのだ。確かにチャンスがあれば人も組織も活性化する。

「自由と民主主義を突き詰めるなら、チャンスの拡大に行き着くと私は考えています。つまりさまざまな制度の評価も、チャンスが増えているかどうかで判断できます。融資枠についても、制度が機能しているかどうかは、チャンスが増えているかどうかを見ればいいわけです」

行政の目標がチャンス拡大にあるのなら、各制度の評価は、その制度がどれだけ新しいチャンスを生み出しているかで測ることができる。それは極めてクリアな指標となるだろう。

「ただし、制度が実質的にどの程度まで機能しているのか。現実、具体的レベルではきめ細かくチェックする必要があります。数字で検証することはもちろん、現場の生の声を聞く必要もあると思いますよ」

だから上田知事は、県民の声を聞きに出る。自ら夜の防犯パトロールにも加わる。会合に呼ばれれば、ただ顔を出してあいさつするだけで済ませたりはしない。積極的に集まった人から話を聞く。

「聞く姿勢を見せると、人は誰でも話してくれるものです。本当に困っている人は助けを求めてくるし、逆に辛辣な意見をずけずけ言う人もいます。どちらも首長としては、非常にありがたい貴重な声なんです」

そう語る知事は、自分宛にくる手紙はもちろん、ファックスからメールまですべてに目を通しているという。

「長いときには1時間ぐらいかけて、最低でも毎日20分は使っているでしょう。届いたものには必ず自分で読むようにしています。もっとも返事を差し上げたら、驚かれる人もいらっしゃるようですが」

まさか知事本人から返事が来るとは、出した当人も思いもしないだろう。しかし知事は、寄せられた声は徹底して平等に大切に扱うのだ。その姿勢も企業経営に通じるものがある。すなわち、ヒントはいつも現場に落ちているという鉄則である。


 



⇒次回「文化を変えるのがリーダーの仕事」へ続く(全四回)

『埼玉県 関連リンク』
埼玉県HP:http://www.pref.saitama.lg.jp/
知事の部屋:http://www.pref.saitama.lg.jp/room/index.html

◇インタビュー:竹林篤実 坂口健治◇構成:竹林篤実
◇フォトグラファー:大鶴剛志 ◇撮影協力:ピクスタ㈱

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