地方活性から日本再生へ 知事の思いは今・埼玉県上田清司知事2

2010.01.22

経営・マネジメント

地方活性から日本再生へ 知事の思いは今・埼玉県上田清司知事2

INSIGHT NOW! 編集部
クイックウィンズ株式会社

改革は地方から。ここ数年目立つのが、元気で、はっきりと物を言う知事たち。言行一致で改革を進めるその活躍ぶりは、日本の将来に明るさを感じさせる。地方自治の要、都道府県政を指揮する知事は、企業に例えるなら経営者である。様々な抵抗を打ち砕きながら、改革を遂行する考え方、行動力はマネジメントの良き手本となる。知事の改革を紹介、シリーズトップバッターを飾っていただくのは、埼玉を劇的に変えた上田知事である。

第2回「数字を使って、文化を変える」

■数字の切り口を考える

「全国47都道府県と十把一絡げに言ってしまうと、どこも同じような印象を受けますが、実態には大きな差があります。その違いを知らない人が多いですね」

例えば、人口1万人当たりの都道府県職員数である。全国平均が24.3人、最も多いのが鳥取県で約52人、そして一番少ないのが埼玉県でわずかに12.6人である(平成21年4月1日現在)。

「行政改革の最大の課題はコスト削減、単刀直入にいえば、まず人件費をどれだけ削れるかが勝負なんです。といってただ人を減らせばよいなどという乱暴な話ではありません。行政のサービスレベルはきちんと保ちながら、いかに人員削減を図っていくか。企業経営にたとえるなら効率アップということです」

効率を考える知事の視点は、数字に向かう。といって単年度の数字を単体で見るだけではほとんど意味はない。他と比べてどうなのかという相対的な視点、さらにはトレンドで見てどう変化しているのかを見る時系列の視点が重要なのだ。

「ところが単年度主義なんですよ、役所は基本的に。せいぜい前年と比べてどうだ、なんて議論で終わっている。納税率が今年は0.2%下がったという、これはバブルが崩壊したわけだから仕方ないなと理由を付ける。次に0.3%下がったら、何しろ銀行もつぶれるような時代だからなと言い訳する。前年対比しか見ていないといくらでもできない理由は思いつくわけです」

加えて行政ならではの人事制度が、責任の所在をあいまいにしがちでもある。

「だいたい2年単位で課長が替わっていきますからね。となるとみんな、自分の任期中にとにかくひどく悪くなりさえしなければ良いぐらいに考えてしまいがちです。そこで長期的なトレンドをグラフにしてわかりやすく見せると意識が変わります」

さまざまな数字の意味を的確にくみ取り、そのエッセンスを抜き出して使うのが上田知事のやり方だ。

「自分の任期中に下がる一方だったとは、誰も思われたくないでしょう。そうなると俄然、がんばってくれる。市長さんや町長さんも同じです。市町村別の納税率データを出して、皆さんのところにお配りして回りました。それで火が点いた」

教育改革でも知事は、数字を機動的に活用する。例えば不登校率データがある。県内各地で違いのある不登校率データを教育長や教育委員長のところに届ければ、不登校率の高いところほど熱心に改革に取り組むだろう。

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