2009年4月に発生が確認されてから7ヶ月が経過しますが、世界中で同じウィルスが蔓延しているのにも関わらず、各国で異なる様相を呈してきています。一先ず、2009年11月時点の状況と対策のあり方を纏めてみます。
◆ 空気清浄機は有効か?
感染者がいる病室に、感染していない人(医療従事者)が入室・在室する際の感染リスクを低減するために有効だというレポートがあります。
しかし、感染者がいれば咳等により常時ウィルスが供給されるため、空気清浄機があっても一時的には室内に蔓延するわけですので、ただ設置しているだけで安心はできません。
特に、教室やオフィスでの稼動人数を考えると、予防効果に対する費用対効果の点で過大な投資となる可能性が高いです。
◆ 加湿器は有効か?
空気中に浮遊するウィルスを埃に見立てるならば、湿度を上げることでウィルスの浮遊を抑えることができると考えられます。しかし、加湿による予防に関する論文を見たことはありません。
◆ 季節性インフルエンザになる条件は?
世界中である一定の人数が感染し抗体を持つ必要があります。そのためには、人口の半数以上が感染しなければならないでしょう。
結果として、人口の半数×致死率は、人間が生き抜くために必要な死亡者数という計算になりますし、この数値によってマクロ的に考えながら国家レベルや自治体レベルでの対策が講じられます。
◆ 新型インフルエンザ対策本は役に立つか?
書籍の発行には、最低3ヶ月が必要です。今発売されている書籍は、厚生労働省が検疫を強化していた時期、そしてマスクが大量に売れていた時期に考えられていたものとなります。今必要なのは、今の状況にあった情報収集と対策の構築です。
そろそろ「濃厚接触者」の自宅待機は終わりにしましょう。
日本国内で1500万人以上が感染しているとすれば、日本人のほとんどが濃厚接触者と考えておかしくない状況です。
最後に、ある小児科の先生の話しとして、新型インフルエンザに感染した幼児の診断をしていて「親子感染を確認したことがない」という話がありました。
これは100名程度でのデータですので、統計データとしては信憑性に乏しいのかもしれませんが、夏(帰省時期)に大学生の子息から感染した40代~50代の企業幹部がいたこととあわせて考えると「未だ良く分からない病気だ」とされるのが理解できると思います。
不安を煽る必要はないのですが、世界的な感染状況と致死率で考えれば、日本でも数百人は亡くなるであろう病気であり、数万人が入院する可能性がある病気ですので、明日はわが身、そして家族の健康を守り、会社の操業と社員の生活を守るために必要な情報を集める体制を作って頂きたいと思います。
パンデミックBCPフォーラム http://bcp.jpn.org
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