覚せい剤中毒からどのようにして更正できたのか?(4)

2009.11.16

ライフ・ソーシャル

覚せい剤中毒からどのようにして更正できたのか?(4)

ITmedia ビジネスオンライン
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岐阜県内の暴走族総長に“就任”した杉山裕太郎さん。しかし自己肯定感を持てず、覚せい剤中毒に陥ってしまった。覚せい剤中毒の日々を送る中、杉山さんはどのようにして更正することができたのだろうか? [嶋田淑之,Business Media 誠]

更正への苦難の道のり


 杉山さんは言う。「自分は両親にとってかけがえのない存在なんだということが分かって、自己肯定感が出てきました。自分の人生をもっと大切に生きないといけないって。でも、そうはいっても、自分はどうせワルなんだというという矛盾した意識がありました」

 覚せい剤は、もう使うのを止めたのだろうか?

 「自己肯定感が次第に増してくるに伴い、覚せい剤の使用量も、少しずつ、減っていきましたね。あの時、親の愛情をコトバにして言ってもらったことによって、心の寂しさが埋められ、薬物の入り込む隙間はなくなっていったんだと思います。次第に気持ちよく感じなくなっていきました」

 こうして、覚せい剤から徐々に足を洗うことができた杉山さんだったが、更生への道は並大抵の苦しみではなかったようだ。

 「昔の仲間たちとの付き合いも一切断って、地元を一時的に離れました。そして住み込みでパチンコ屋の店員をやったり、営業の仕事をしたりしていました。しかし、長年にわたる薬物摂取の影響もあって、自信も喪失していましたし、笑うことが出来ないくらい、精神的にも肉体的にもかなり不安定な状態が続いていました」

 そんな杉山さんではあったが、ほんの少しずつかもしれないが、自分の将来に関しても、前向きの気持ちを持つようになっていったようだ。

大学進学、そして首席卒業


 「大学に進学して教師になりたいって思ったんですよ。『GTO』※に憧れましてね(笑)。そして2000年4月、岐阜県にある朝日大学の法学部に入学したんです」
※筆者注:GTOは、藤沢とおる原作の漫画で、1998年テレビドラマ化されて大ヒット。元・暴走族リーダーの主人公が教師になって、校内のイジメ、登校拒否、暴力などの問題に立ち向かい、次々に解決していく学園ドラマ。

 しかし、大学もまた荒廃していた。そこで杉山さんは、大学関係者と協力して、GTOばりに(?)、大学の学級崩壊を是正していったという。

 「とはいっても、とにかく劣等感は強烈でしたね。周囲の学生が7歳年下だということだけではない落差を感じていたんです。何をするにも自信が持てないんです。だから、大学にどんなファッションで行けばよいかも、全然分からないわけですよ。

 それに、歌をまた歌いたいと思ってボイストレーニングを受けましたが、覚せい剤中毒の影響もあってか、思うように声が出ませんでした。ただ、そういう思いをしたことによって、他人の痛みは分かるようになりましたね」

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