顧客視点で「王道」を歩む「スーパーカップ」

2009.11.11

営業・マーケティング

顧客視点で「王道」を歩む「スーパーカップ」

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 エースコックが「スーパーカップミニ」シリーズの新商品として、「カレーうどん」を11月16日から発売するという。同シリーズとしては今年8月初旬に「スーパーカップミニ もやしみそラーメン」をリニューアル発売したが、「カレーうどん」でさらにラインナップを強化した形になる。その狙いは何だろうか。

 エースコックといえば、1988年に「スーパーカップ」を発売して大ヒットを飛ばし、大型カップ麺のパイオニアとして君臨している存在である。その歴史を振返れば、その翌年にはすぐさま「スーパーカップ1.5」シリーズを展開し増量。さらにその地位を盤石のものとした。さらに2005年にはメガフードブームを先取りして、「スーパーカップ超大盛り2.0」という禁断のサイズまで展開。その系譜は今日にも続いている。

 上記のスーパーカップ大型化の歴史を見れば、「ミニ」というサイズの整合性が疑問に思えてくるかもしれない。
 「ミニ」の源流は遠く過去に遡る。1990年に「スーパーもやしみそラーメン0.5」など、「0.5」のサイズバリエーションでいくつかの商品が展開され、それが後に「ミニ」となって脈々と今日まで続いているのである。
 存在理由と狙いは明確だ。「0.5」は「新たなシーンを提案」というコンセプトで上市された。「新たなシーン」とは、「弁当・おにぎりとの併用」である。1990年代はコンビニエンスストアの最後の成長期であるとともに、コンビニ弁当の成長期でもあった。そこでの併売を狙って「0.5」は上市され、以後、「ミニ」と呼び名を変え、幾度のリニューアルを経ても「もやしみそラーメン」を継承してきたのである。

 8月の「もやしみそラーメン」のリニューアル、今月の「カレーうどん」のラインナップ追加のどちらにも<「おにぎり」「お弁当」などの“米飯類”との相性を考慮>したと、同社ニュースリリースに明記されている。それは従前通りなのだが、なぜ、「カレーうどん」が追加されたのか。通常、「スーパーカップ」においては、うどんやそば類は、「季節限定」や企画商品のカテゴリに入っている。現在なら「冬のスーパーカップ1.5倍」という季節限定で「豚バラとん汁うどん」「鶏南蛮そば」が展開されている。しかし、その単純なサイズダウンではない。
 リリースでは<「できるだけ多くの素材を摂りたい」という消費者のニーズに応える商品として開発を行いました。ほくほくのじゃがいもを中心に5種の具材が入り、とろみのあるだしが効いたカレーうどんスープがお弁当などにもよく合う、小さくてもこだわりは大きいミニカップめんです>とある。

 昨今のサラリーマンの昼食事情は、株式会社アイエムプレスが今年8月に行った調査から見えてくる。20歳から59歳までのサラリーマン500人の回答では、昼食代は500円以内と回答した人が全体の7割、さらにその中でも350円から500円が37.2%、350円未満が33%を占めるという。
 スーパーカップ1.5倍は190円。2.0倍でも220円。これだけでも33%の350円未満派におつりが来る状態で、ガッツリ満足してもらえる。しかし、「人はスーパーカップのみに生きるにあらず」なのだ。同社がつかんだ、ランチにお金はかけられないけれど、「できるだけ多くの素材を摂りたい」という消費者のニーズは今後ますます高まるばかりだろう。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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