中国が世界一の自動車大国になるとき、何が起こるのか?

2009.11.03

経営・マネジメント

中国が世界一の自動車大国になるとき、何が起こるのか?

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

中国の自動車生産台数が1000万台を突破した。かつての自動車大国アメリカが没落し、つかの間世界一となった日本をも追い抜くとき、日本の悪夢が始まるのではないか?

実際に半分とまでは行かないにせよ、競争環境としてはそれぐらいの意識を持っていないと、乗り切れない恐れがあるとの覚悟が、この言葉に表れているのだと思う。

非連続的変化の国・中国

さらに、相手が中国の場合、もう一点考えておくべきことがある。中国ではたびたび非連続的な成長が起こるのだ。例えば固定電話が各家庭に普及する前に、携帯電話の台数の方がはるかに多くなってしまったように。あるいは電話線でのインターネット接続を経験することなく、一気にブロードバンドネットワークの世界に突入したように。

なまじ一世代前の技術やインフラが普及していないおかげで、中国は最新鋭の技術や設備へと簡単にジャンプアップすることができる。空港までのアクセスにモノレールや地下鉄ではなく、リニアモーターカーを導入する。この中国的なパラダイムシフトを自動車の世界に持ち込めばどうなるのか。

いきなり電気自動車大国に

あっという間に電気自動車大国となってしまう可能性がありはしないか。つい先日、NHKのテレビで非常に興味深い番組が放送されていた。いま中国ではちょっとした起業ブームに沸いているのだという。

雨後の筍のように増えているのが、電気自動車メーカーだ。電気自動車はガソリン自動車とは異なり、パーツさえ手に入れば簡単に組み立てることができる。そこで二人乗りぐらいの小さな電気自動車を作るメーカーが急増中らしい。

しかも、そうした小型電気自動車はナンバープレートが不要なのだ(あくまでも現時点での話であって、今後は規制がかかると思うが)。だから勝手に作って、勝手に売ることができる。野放し状態である。そうしたメーカーがすでに100社以上ある。

もちろんきちんとした(という定義が不明ではあるが)電気自動車メーカーも登場してきている。BYD自動車がその典型で「同社はもともとリチウムイオン電池の技術に優れ、年末には純電気自動車E6を発売する予定だ(日本経済新聞2009年10月31日付19面)」という。

日本の生き残る道は

日本が輸出で稼いできたことは、誰でも知っている。その稼ぎ頭が自動車だ。が、もしかすると今後、日本は自動車輸出ではもう稼げなくなる恐れがある。圧倒的にコスト競争力で優れ、品質もそれなりに改善された中国車を選ぶ人が世界で増えていったときに日本はどう戦っていくのか。

さらに自動車パーツメーカーはもっと深刻な状態になるかもしれない。メーカーは最悪、パーツの仕入れ先を中国メーカーに換えてコスト競争力を維持できる可能性がある。しかし、パーツメーカーはどうなるのか。ことは広範囲での雇用も絡むクリティカルな問題だ。

どうやって生き残りを図るのか。簡単には答えのでない問題だけれど、今から絶対に考えておくべき課題だ。

※参考
日本経済新聞2009年10月21日付け朝刊、10月31日付け朝刊

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