長期契約と複数年決算

2009.10.17

経営・マネジメント

長期契約と複数年決算

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

コスト削減手法の一つとして、 組合せ発注、ばらし発注というものがあります。 企業によっては バンドリング、アンバンドリングという言葉を使っているようです。

コスト削減手法の一つとして、
組合せ発注、ばらし発注というものがあります。
企業によっては
バンドリング、アンバンドリングという言葉を使っているようです。

組合せ発注とは従来であれば単品での発注であったものを、
部品を組合わせて部品群で発注をするから量がまとまり
ボリュームメリットを生かしたコスト削減が実現できるという手法です。

一方、ばらし発注とは今まで組合せて発注していた部品やサービスを、
ばらしてその部品やサービスを得意にしている企業へ発注することで
コスト削減を実現するという手法です。
印刷物における制作・印刷の分離などはその代表的な取組みになります。

組合せ発注の応用例の一つとして
「契約期間を長くする」というやり方があります。
これは従来であれば四半期とか半期とかの契約であったものを
複数年契約にすることでサプライヤにとっては安定的な仕事量が確保でき、
またある程度先を読んだ生産計画や設備投資を行えることで
コストをより安くできる、バイヤーにとっても契約期間を長くすることで
一層のコスト削減が実現できるというメリットにつながるものです。

難しい考え方ではありませんし、プロスポーツの選手とチームの契約でも
最近では普通に行われている契約手法です。

しかし、このような期間組合発注の手法である
「長期契約化」を推進するとなると必ず障害になるのは、
「そうは言っても先が見えないよね」という話です。
確かに昨年の秋のリーマンショックの件なども含め
最近の経済環境は非常にドラスチックに変化することは確かです。
しかし「先が見えない」もう一つの理由は
私は会計制度にもあるのではないかと思っています。

企業はご存知のように年間の業績に応じて利益を出し、
利益から税金を支払います。
ですから今年は収益余裕があるからもっと積極的に投資をしよう、とか
人をとろう、ということを計画的にやろうとするのですが、
基本的には期をまたいではできません。

次の年に一時的に売上が減少すると税金を納めると
手元資金ががくっと減ることも少なくありません。
これは私が会社を立ち上げてから常日頃感じていることなのですが、
特に中小企業やベンチャー企業にとっては複数年度決算ができれば、
もの凄くメリットが大きいと考えます。

何故なら2-3年のレンジで
売上の拡大と資金計画、投資計画をつくることができるからです。

これは先ほどの「長期契約化」を推進する上での障害を
取り去ることにもつながります。

以前取り上げた千葉県の不正支出の件でも
単年度予算の制度が無駄遣いを生んでいるという話がありました。
複数年度決算でものが考えられるのであれば、
「必ず予算は消化しなければならない」ということも
ある程度少なくなるでしょう。

どこまで適用範囲を広げるかはともかくとして、
このような政策を考えてくれる政治家がいたら応援したいものです。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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