この時代に起業する生き方、創業する志

2009.10.03

経営・マネジメント

この時代に起業する生き方、創業する志

洲崎 智広

日本経済の今後の行方を投資マネーから探る。

8月の有効求人倍率が、平均0.4倍という非常に低い数値。
また、給与の総額も過去最低。とにかく、みんなが財布の紐を
しめて、じっと耐える・・・・というのは、想像に難くありません。

それくらい、景気が落ち込んでしまい、どうしようもなくなっています。

ところで、今年の企業のIPO(株式公開)社数は、このままでいくと、わずかに年間20社という最低レベルを更新する予定です。

ここで取引所も、何も手を打たないのは、はなはだ憤りを感じますが
要は、安定した上場企業が、引き続きあれば、それでいい、という
感じなのかもしれません。

ちなみに、ベンチャー企業に投資する、日本のVC(ベンチャーキャピタル)が投資した金額は、2007年度で1,933億円。<VEC調べ>
ほぼ同時期の米国は、300億ドル(約3兆円)<NVCA調べ>。
ちなみに米国では、最近では、これの10%以上の落ち込みが
あるといわれていますが、それでも、兆単位の投資です。

また、特に米国のアジア向け投資マネーも今、中国、インドへと
流れつつあります。
米国のプライベートエクイティによる海外投資額が、2003年は日本へは
1,491百万ドルに対し、中国へは740百万ドル、ところが、
2007年になると、日本への投資は486百万ドル、中国へは
1,890百万ドルとなっています。
もっとすごいのがインドです。2003年はわずか147百万ドルが
2007年は、2,003百万ドルに達しています。

なぜ、このように企業への投資に対して、投資マネーが
日本を通り越して、中国、インドに向かうのか。
レポートによれば、投資に値する起業家の数、だそうです。

やはり、新しい価値を創造する人たちが、たくさんいればいるほど
資金はそこにチャンスを見出し、集中するという仕組みなのです。

日本は特に異質ものに対して、異常なまでの保守的な思考が
あります。そのために、新しいものを考える人たちとみると
「怪しい」「いかがわしい」などど敬遠しがちです。

しかし、そのような環境をこれからもずっと維持していけば、
まずます資金は、流れなくなり、今以上に厳しい状況におかれるという
ことになるでしょう。

ひとりでも多くの人が、こういう厳しい時代だからこそ、社会のために
新しい価値を供給し、貢献する構造が、今待ったなしで必要なのかも
しれません。

大企業に在籍しても、起業も極端にいえば、どちらも同じくらい
のリスクがあるような時代になってきてはないでしょうか。

起業家がたくさんいる国には、明るい希望すら覚えるのは
行き過ぎた考え方でしょうか。

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