未来予測は当たるのか?

2009.09.30

経営・マネジメント

未来予測は当たるのか?

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

先日、日本能率協会総合研究所、 マーケティング・データ・バンク主催の 『未来予測セミナー』 を受講しました。

当セミナーは大変充実した内容で、
今後の世界、また日本を変えていくであろう、

「大きな潮流」

を再確認するよい機会となりました。

具体的な内容については、
今後、折に触れご紹介したいと思っています。

さて、そもそも、
未来予測って当たるんでしょうか?

実際のところ、

「大きな潮流」

については、
その変化の「芽」が多少なりとも
地面から顔を出していることが多いので、
ほぼ確実に当たります。
(「芽」に気づかない人も多いですが・・・)

しかし、

「個別業界や個別商品の先行きがどうなるか」

について言えば、
正確な予測は極めて難しいのが現状です。

というのも、
確実なひとつの収束点というものはなく、
たいていは複数のシナリオがありえるからです。

しかも、どのシナリオが実際に展開することに
なるのかは、確率的にしか予測できませんから、
結局はその時になってみないとわからないのです。

ですから、もし予測が当たったとしたても、
それはまぐれ当たりに過ぎないと言えるでしょう。
(超能力者を除き・・・)

ただ、そもそも、

「ビジネスにおける予測」

はそれ自体が目的ではありません。

たとえ、複数の「未来シナリオ」があるとしても、
将来の変化に適応して生き残るために、
今から準備しておくべき行動が明確になります。

そして、未来のためにやるべき行動が明確であれば、
あとは、それぞれの未来シナリオが現実化する確率を
踏まえて、優先順位をつけた行動計画を立案し、
早速着手する。

すなわち、予測困難だからこそ、
あえて予測してみることで、
未来に備えるために今から取り組むべき
行動を認識する。

これが未来予測の意義だと言えます。

よく、

「どうせ、未来はどうなるかわからないんだから、
目先のことに全力を注ぐべき」

という方がいますよね。

しかし、こんな人は、今転ばないように、
足下の石ばかりみて歩いているようなもの。

ふと顔を上げたら目の前は断崖絶壁だった!
どんづまりにいて、もはや後戻りもできない!

という事態になりかねませんよね。

足下の石ころに気をつけるのも大切ですが、
同時に、遠く水平線を見渡して、自社(自分)が
どんづまりの道を進んでいないかを常に確認する
ことも必要なのです。

要するに、これが未来予測をやる意義です。

ところで、変化には次の3種類があります。

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(1)パラダイム的変化

場・価値基準が短期間に大きく変化するもの
(ex.ガソリン自動車→電気自動車)

次のページ(2)構造的変化

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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