朝青龍関問題が浮彫にする組織の多様性課題

2007.08.30

経営・マネジメント

朝青龍関問題が浮彫にする組織の多様性課題

槇本 健吾
株式会社インサイト・コンサルティング 常務取締役 COO(最高業務執行責任者)

朝青龍の問題が連日報道されている。一連の報道を通して浮彫になるのは、日本相撲協会や高砂部屋と朝青龍の関係だけではない。そこには、日本の組織が抱える多様性(ダイバシティ)マネジメントの課題が数多く露呈している。対岸の火事、他山の石として、自らの組織マネジメントに教訓を活かす機会として捉えることは肝要である。

朝青龍問題によってどんな多様性に関する課題が浮彫になるのだろうか?

1.外国人の価値観を理解しつつマネジメントすること
2.メンタル面での問題を抱えないように何ができるか
3.メンタル面での問題を抱えた際の対応
4.メンタル問題からのリカバリ支援方法
5.不易流行による、環境変化適合と時代対応

それぞれ簡潔にポイントを示していきたい。

1.外国人の価値観を理解することがまず大切である

朝青龍関が日本でのプロスポーツとしての相撲を単なる格闘技としてで
はなく、文化・伝統・国技としての位置づけで品格を養成しつつ成長する
ように指導・支援していく点で、バランスを欠いた結果と言える。

そのためには、押し付け的ではなく、また、妥協的でもない仕方で得心し
てもらうため、まず、価値観の理解を含め、一定の規律・規範のコンセン
サスを築くことが重視されるべきである。

ダイバシティ(多様性)マネジメントの基本である。

2.メンタル面での問題を抱えないために何ができるか

コミュニケーションがかぎである。

特に、母国語で語りかけることのできる、理解者・支援者・相談役が通訳以外
に必要とされる。

母国語で語ることは、心の琴線に触れる点では、最も効果的なアプローチであ
る。日本語を学ぶこと、日本の習慣や規範を受け入れることを求めるならば、
同時に日本組織側も相手の母国語を学び、理解しようとすることにより相互
理解の貴重な基盤を構築できる。

例えばキリスト教の宣教者を見てみると良い。
なぜ、キリスト教が世界に浸透したか、その鍵は相手の母国語を学び、それを
聖書翻訳に活かし、その結果、思想浸透が実現することになる。
(勿論、歴史的経緯から、キリスト教宣教者の現地浸透には、醜悪な側面もあ
ったことは否めない。善悪についての議論はここでは意図していない。)

言語は、文化、価値観、思考を反映するから心に達するコミュニケーションを
目指すならば、必須なのである。

3.メンタル面での問題を抱えた際の対応

確かに、あれだけマスコミが騒いでしまうと療養することは不可能である。
その意味でも、本国に一時帰国するとの判断は理に適っていると言える。
プレッシャーを与える環境ではなく、回復に必要な環境と妥当な期間が必要
とされる。

メンタル問題を抱えた際の対応や休養する環境なども福利厚生としても備え
ておく必要があるだろう。(その種の医療機関や関係者とのパイプも十分、
整備しておくことが今後、必要である。)

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槇本 健吾

株式会社インサイト・コンサルティング 常務取締役 COO(最高業務執行責任者)

個人と組織の成長を実現するために、真に効果的な人材育成のあり方を追求しています。国際競争力を併せ持つ能力開発を志ます。そのためには多様性を強みに昇華させることが肝要と心得ます。

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