M&Aにかかせない「ノンネームシート」の読み方

2009.09.05

経営・マネジメント

M&Aにかかせない「ノンネームシート」の読み方

清水 美帆
株式会社ビジネス・ブローカレージ・ジャパン 代表取締役

M&A取引の一番最初の段階で、買収が検討する「ノンネームシート」呼ばれる、M&Aにはかかせない企業概要書について説明します。

今回は、M&A取引の一番最初の段階で、買い手希望企業に対して、M&A仲介会社が提案する「ノンネームシート」や「ノンネーム概要書」や「一枚もの」などと呼ばれる、M&Aにはかかせない資料について説明します。わかりやすく説明する為に、こちらでは、「ノンネームシート」で呼び名を統一しますが、全て意味は同じです。ノンネームシートは、売却対象となる企業または事業について、社名や事業名を公開せずに、業種、売上高、利益、売却希望金額、買収スキームといった検討するにあたって、最低限必要となる情報を、1枚ものの企業概要書にしたものです。

最後に掲載した画像は弊社で作成した案件概要書です。案件はこちらの案件です。

原則、NDAやCAと呼ばれる「機密保持契約書」という、入手した情報を特定の目的以外に使用したり、第三者に漏洩したりしない事を、約束する契約書を締結した後に、M&A仲介会社から渡される資料です。ノンネームシートを見る際に、抑えておくポイントとしては、

①どこで
②どんな事業を行っていて
③どれだけの収益があって
④何のスキームで
⑤いくらで売却されているのか

という点です。「①どこで」については所在地を確認します。この案件の場合、埼玉県になりますので、埼玉では事業展開を考えていない方は対象外になってしまいます。また特徴と強みという欄で、好立地と説明されていて、主要駅名や最寄駅名、また徒歩時の距離も説明してありますので、その部分も参考になります。

「②どんな事業を行っていて」については、事業内容と特徴と強みを確認します。この案件の場合、飲食店、それも和風創作料理やもつ鍋を提供する和風居酒屋とありますので、業態のイメージができます。また社員数の欄を見ると、社員0名(役員3名を除く)、アルバイト9名とありますので、組織についてもイメージができます。従業員は、企業や事業にとって欠くことのできない大切な存在ですし、原則、M&Aでは従業員をそのまま引き継ぎますので、組織として成り立っているかや、従業員はちゃんと引きついでくれるかというのも大切なポイントです。こちらの案件では、正社員がいない為、役員であるオーナーが抜けてしまった場合に現場を統括管理できる社員が必要になると思われます。

「③どれだけの収益があって」については、財務概要の売上と実質営業利益を確認します。売上は、この飲食店が年間に稼ぐ売上高です。年商で5800万円を売り上げています。営業利益とは売上から販売管理費などの一連の経費を引いたものになります。この販売管理費には、社長や経営陣の役員報酬、人件費、家賃、材料費なども含まれます。従って、この営業利益を見る事で、売却対象となる企業または事業が、どれだけ収益性があるのか、つまり、どれだけ儲かっているのかが把握できます。ノンネームシートにある実質営業利益とは、事業とは関係のない経費や多すぎる役員報酬といった税金対策の為に計上している経費を決算上の営業利益に足し戻しをしたものです。

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清水 美帆

清水 美帆

株式会社ビジネス・ブローカレージ・ジャパン 代表取締役

JMAA認定M&Aアドバイザー(CMA)

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