テレ朝・角澤アナが語る、スポーツ実況の内幕~前編~

2009.08.18

ライフ・ソーシャル

テレ朝・角澤アナが語る、スポーツ実況の内幕~前編~

ITmedia ビジネスオンライン
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早稲田大学は7月10日、大隈小講堂で公開フォーラムを開催、テレビ朝日アナウンサーの角澤照治氏がスポーツ実況に10数年関わった経験を語った。[堀内彰宏,Business Media 誠]

 日本テレビもフジテレビも落とされて、TBSも僕は実家がお寺なので「お経をあげてみろ」と言われてお経をあげたのにもかかわらず落とされて、なぜかテレビ朝日だけ不思議と残ってしまいました。最初は何千人と受けているのですが、残るうちにだんだん欲が出てきて、残り50人まできたあたりで「これは受かりたい」と思い始めました。

 残り50人まで来ると、カメラの前でニュースを読んだり、自己PRをしたりといったカメラテストを受けることができます。それをやる時に初めて、古舘さんの実況に憧れたころの自分が出てきました。もともとプロレスや相撲、サッカーが大好きだったので、「これをやりたい」とひたすら言い続けました。若いアナウンサーがちょうどスポーツアナウンサーでいない時だったので結果的に受かったのかなと思うのですが、「何で僕を採用したんですか」というのは 17年経った今でも怖くて人事部に聞けません。
                                                                
                                                      
久米宏氏からのアドバイス
角澤 当時のプロデューサーがよくやらせてくれたなと思うのですが、僕のサッカー初実況は入社した1993年の10月、全日本大学サッカー選手権(インカレ)の決勝戦でした。早稲田大学対同志社大学が国立競技場で行われて、そこに出場していた早稲田大学の有名な選手が、もう引退されて評論家になった元日本代表の相馬直樹さんです。その試合のファーストゴールが相馬さんで、僕が実況で最初に「ゴール」と言ったので、相馬さんは自分の中でも非常に印象深いです。

 その後、アマチュアサッカーを中心に実況して、初めて日本代表戦の実況をしたのが1999年のことです。1996年からニュースステーションのスポーツコーナーも担当していたのですが、同時進行でサッカーの実況もしていました。

 実況をする時、そのスポーツについての視聴者の知識がそれぞれ異なっているので、「誰に向けて実況するか」ということは本当に難しいです。また、「僕がしたい実況」「テレビ朝日が角澤に喋らせたいと思っている実況」「視聴者の皆さんが聞きたいと思っている実況」も全部違います。その中で「どうしたらいいだろう」と10何年間さんざん悩み続けて、今も悩んでいてまったく答えが出ていないのですが、クサい言い方になるのですが僕は“祖母”に向けて話すようにしています。

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