オトコ化を加速する「爽健美茶」

2009.07.24

営業・マーケティング

オトコ化を加速する「爽健美茶」

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

「爽やかに、健やかに、美しく」。女性から圧倒的支持を集めるブレンド茶のトップブランド、爽健美茶がオトコ化を加速している。その背景にあるものは何だろうか。

「ハトムギ・玄米・月見草~」。商品名を聞いただけでフレーズが浮かぶCMソング。キャラクターは歴代、どこかピュアさを秘めた女性タレントが務め「爽やかに、健やかに、美しく」とのブランドコンセプトを体現する。美しくありたいオンナゴコロを見事にとらえ、ブレンド茶カテゴリーの7割を超えるシェアを誇っている。

そんな爽健美茶に異変が起きたのは今年に入ってのこと。CMキャラクターに竹野内豊が加わったのだ。モデルの杏は昨年からの続投。CMソングを歌うシンガーの福原美穂と女性キャラクター健在だが、男性が単独で起用されたのは14年間のブランドの歴史で初めてのことだ。この時点でターゲットを男性にまで拡大したことが推測できた。

ボトルネックにプレミアムを付けるのはコンビニエンスストアでの清涼飲料の定番的販促である。総付景品といわれる購買を刺激するためのオマケ。いかに低コストでセンスのいいものを考えるかが担当者の腕の見せ所である。例えば、サントリーの伊右衛門は和風テイストたっぷりの手ぬぐいを付けたり、京都の有名な飴を付けたりと、ブランドの世界観を高める効果的な販促を展開している。
そのベタ付けキャンペーンで爽健美茶はこの夏、さらに男性層獲得を強化する展開を密かに行っている。総付け景品は「ゾイド」のフィギュア付きストラップ。「ゾイド」とは1980年代前半にトミー(現タカラトミー)が販売していた動物型ロボットの玩具である。日米欧豪で発売され一大ブームを巻き起こし、80年代後半にはファミコンソフト化され、90年代後半にはアニメ化もされた。つまり、30歳代中盤から40歳ぐらいの男子にとっては懐かしいことこの上ない存在なのだ。

最後の仕上げは新製品の発売である。ニュースリリースは以下のようにある。
<-発売15周年を迎える「爽健美茶」から、男性向けの新商品が登場- 「爽健美茶 黒冴(くろさえ)」 8月31日(月) 新発売 健康黒素材を配合、カラダをしゃきっと冴えさせる烏龍ブレンド茶 ><健康意識が高く、忙しく働く30~40代の男性をターゲットにした新製品>。前述の総付け景品のターゲットとピッタリ一緒。本格的男性ターゲット商品の登場である。

竹野内豊のCMで、「爽健美茶は男性が飲んでもおかしくないんだよ~」というと訴えかけて、消費者のパーセプションを変化させる。ゾイドの景品を付けて、ターゲットの男性に購買させる。フィギュアは8種類あるという。何度か続けて購買する人も多いだろう。そうこうして、本格的に男性を狙った新商品が投入されるころには、男性も爽健美茶=女性向けという購買に対する抵抗感がすっかり薄れているという寸法だ。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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