多様性マネジメントできるリーダー育成法

2007.08.15

経営・マネジメント

多様性マネジメントできるリーダー育成法

槇本 健吾
株式会社インサイト・コンサルティング 常務取締役 COO(最高業務執行責任者)

多様性(ダイバシティ)をマネジメントできるリーダーが日本に早急に、しかも大量に必要とされている。 グローバル人材であれば尚のことであるが、必ずしもグローバル人材でなくとも、女性、若者、年配者、国内在住外国人などを組織し、シナジーを生み出す必要があることは自明の理である。 いかなる育成法があるのだろうか? 実は、最も効果的なやり方が身近にあることに驚かれることだろう。

グローバル人材に関する以前の記事の中で、一度、日本人を解脱しなければ
真のグローバル人材になり得ないという点を指摘した。

その後、多くの見識ある方々から共感をいただき、この点では更に確信を深めている。

同記事の中で、カンボジアにおけるリーダー育成研修(根源性を高める)につ
いて言及した。

しかし、なかなか海外でリーダー人材を2週間~3週間、育成のための時間を
設けるのは、現在の企業環境からして至難の業である。
勿論、この育成研修には、その困難を乗り越えて参加する価値と成果はあると
確信しているが、現実問題として、計画を推し進めるには幾つものハードルが
あることだろう。

では、国内において、海外(例:カンボジア)で実施するのと同じような効果
を生み出し、多様性をマネジメントして、シナジー(相乗効果)を活かすような
プログラムはないのだろうか?

実は、身近に存在するのだ。
格好のケーススタディである。
ポイントは<日本人を解脱する>環境である。

今、日本人でありながら、日本人を最も解脱しているのは、心ならずもメンタル
面で問題を抱えた方々である。

EAPの一環として、この方々の復職プログラムの当事者として、リーダー人材に
現場を時限つき(1~3年)で任せることである。
それ専門ではないが、そのような問題を抱えた方々が存在する職場を任せるので
ある。復職プログラムのプロデューサーも任せることができるであろう。

ただし、任せる前に、必要なメンタル面で問題を抱えた方々への対応教育を受
ける前提は必須である。

また、必要な支援ネットワーク(人事、心療系産業医、EAP系コンサルタント等)の構築も併せて必要である。
特に制度整備も、並行して行う方向性をトップが打ち出していることが望ましい
ことは言うまでも無い。

このプログラムを通してリーダー人材は、日本人を解脱した境地にある、うつの
問題を持つ方々と向き合いながら、1時間、待ち合わせの時間を待つ、約束した
がドタキャンされる等の問題に正面から向き合うことになるであろう。

メンタル面での問題は、原因が感情障害や精神的ストレス等の影響であるが、
同じような行動様式が価値観や文化が異なるという原因であることが外国人や
若年者のマネジメントに繋がるヒントとなるのである。

言ってみれば、日本的常識の枠をメンタル理由で外れるのか、文化・習慣的理由
で外れるのかの違いで、表面に出てくる行動様式は実に似ているのである。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

槇本 健吾

株式会社インサイト・コンサルティング 常務取締役 COO(最高業務執行責任者)

個人と組織の成長を実現するために、真に効果的な人材育成のあり方を追求しています。国際競争力を併せ持つ能力開発を志ます。そのためには多様性を強みに昇華させることが肝要と心得ます。

フォロー フォローして槇本 健吾の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。