20代の転職「それぞれの損得」

2007.08.03

組織・人材

20代の転職「それぞれの損得」

増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役

果たして20代で転職することは有利なのか、それともリスクなのか? 採用企業のニーズとキャリアの市場価値から考察します。

3年目で転職したならば、すでに同年齢は1年目、2年目で活躍している“先輩”であり、場合によっては年下の先輩との競争環境に身をおくこととなる。

25歳までの転職は、「一から出直して、とにかく20歳代はこの会社で頑張ってみる」という決心ができるなら、転職リスクは低減するであろう。

20代後半の場合はどうか?

入社から4~5年で経験できる仕事の内容とレベルは業種、職種、企業によって大きく異なる。

一般的に20代後半で「一人前になった感覚」を持てる仕事は多いはずである。

しかし、この「一人前感覚」が曲者だ。

入社後の環境が追い風で、順調に成功体験を重ねている人ほど、「会社が評価してくれない」という不満を持ちやすい。

「自分はたぶん他の会社でもやっていける」という思いが募ると、転職のポータルサイトに本気でエントリーしてみたくなる。

しかし、実際はそんなに甘くないようだ。

業種、職種にもよるが、4~5年での仕事経験から得られる自分の強みが、企業の枠を超えた市場価値を持つことは稀である。

採用企業から見ると、まさに即戦力として期待するわけだが、それは、実績と専門性を持つプロフェッショナルとしてではなく、組織の都合に従うプレーヤー(駒)としてであり、転職者側に主導権はない。

企業がプロレベルの即戦力人材に求めるのは、高いレベルの成果を担保する経験知と再現可能性のある尖った強みである。

一人前感覚を持って、「リベンジ転職だ」と意気込んでも、結局は転職先の企業の都合に振り回され、本来の方向性を見失うことも少なくない。

いつの時代でも「隣の芝は青く見える」が、その意識で行くと痛い目に遭うことが多いのだ。

もちろん、4~7年目の転職において、自分をさらに成長させる機会にめぐり合う人も多数いる。

総じて、20代後半で転職に成功している人は、まずポジティブである。

仕事における成長実感を求めていて、入社時からの初期経験をうまく活かす方向のキャリアを選んでいる。

それに加えて、環境への適応能力も高い。

一方、20代後半で業種、職種を大きく転換する転職を考える際には、細心の注意が必要だ。

満を持して転職しても、新入社員の時よりも厳しいリアリティショックに遭遇することは珍しくない。

また、この時期のキャリアで漂流してしまうと30代でのキャリア形成の足場を失うことになる。

産業再生機構の元COO 冨山和雄氏は、「20代で小賢しい転職をする人間は採用しない」という。

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増田 崇行

増田 崇行

株式会社クエストコンサルティング 代表取締役

2006年5月に株式会社クエストコンサルティングを設立しました。 組織人事領域におけるプロデューサーとして、クリエーターとのコラボレーションによりユニークなサービス、ビジネスを開花させてきました。今後も「Quest for the Human Brightness」をコンセプトとして、インパクトのあるサービスを開発しご提供することで、人と組織の本質的価値の向上に貢献できたらと考えています。

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