年金は本当に破綻するんじゃないの

2009.05.02

ライフ・ソーシャル

年金は本当に破綻するんじゃないの

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

「年金は31年に破綻」マイナス1%成長で厚労省試算。ちょっとショッキングな見出しの記事をオンライン版の読売新聞で見かけた。ちょうど読んでいる本にも同じような指摘があった。年金は本当に破綻するのだろうか。

問題は実質経済成長率

「実質経済成長率が今後マイナス1%前後で推移すれば、公的年金は積立金が亡くなり制度が破綻する」というのが、記事の主旨だ。つまり年金制度は必ず破綻するのではなく、経済成長率がマイナスで推移すればという条件が付いている。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090501-OYT1T01015.htm

もっとも、完全に少子高齢化に突入した日本では今後、経済成長率が画期的に伸びるとは思えない。少なくとも国内マーケットは人口が減る以上、そう簡単にはふくらまないだろう。現実的にはマーケットも人口減に応じて縮むと考えるのが普通だ。ということは年金が破綻する確率は意外に高い可能性はあるはずだ。

2031年度といえば、筆者は70歳である。自分がどんなジジイになっているかはわからないが、とりあえず、その歳になって「年金は、もうおまへんで!」などと言われるのは相当シビアであることは想像がつく。何とかしてもらいたいものである。

確定している2030年の日本の姿

前回のエントリー(絶対確実な未来をマーケティングする)で、人口の推移に関しては、ほぼ確定した未来像を得られると書いた。ちょうど最近読んだ本にも同じことが書かれていた。神永正博氏の『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』には、次のように書かれている。

「将来の人口がどうなるかは、ある部分はほとんど決まっているといっても言い過ぎではありません。例外があるとすれば、海外との人の出入りが急に増えたり、戦争、疫病などで死亡率に大きな変化があった場合でしょうか。
たとえば、大学入試の予測に利用される18歳人口は、すでに生まれている子どもたちの人数をもとにして、今後の18年分はほぼ推測できてしまいます(神永正博『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2009年、215ページ)。

この本にも2030年の日本の状況が書かれている。それによると
「従属人口指数(=年少人口と老年人口を足して、生産年齢人口で割ったもの。非生産人口と生産年齢人口の比)が戦前並みになるのは、団塊ジュニア世代が老年期に達する2030年頃です(前掲書、233ページ)」

年金破綻リスクの高さ

つまり、今後かなりの確度で予想される経済のマイナス成長が続けば、団塊ジュニア世代が「絶対に」間違いなく老年期を迎える2030年には、年金制度が破綻する確率はかなり(という表現が微妙だが)高い、ということだ。

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