ファストファッション戦争とファーストリテイリングの真の狙い?

2009.04.20

経営・マネジメント

ファストファッション戦争とファーストリテイリングの真の狙い?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

日本第1号店である銀座店オープン時の長蛇の列が記憶に新しいH&M(Hennes & Mauritz:ヘネス・アンド・マウリッツ)に続き、ファストファッションの黒船が続々押し寄せ、戦争が激化している。しかし、この戦争の影には単純な構図で読み解くことのできない、ユニクロを抱えるファーストリテイリングの戦略が見えてくる。

ファストファッションという言葉もだいぶ定着してきた感もあるが、「手早く、安く、オシャレなファッションが手に入る」という、ファストフードになぞらえた言葉である。世界の御三家はH&M(スウェーデン)、ZARA(スペイン)、TOPSHOP(イギリス)。
安く提供できるヒミツはSPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)という、製造から小売までの垂直統合した事業形態にある。

しかし、SPAという業態はファストファッションブランドの本質ではなく、あくまで「オシャレでカワイイ」ことが重要だ。H&M原宿店のすぐ横に、ロサンゼルス発のファストファッションチェーン「FOREVER 21(フォーエバー 21)原宿店」がもうすぐオープンする。同社は企画・生産を多数のアパレルメーカーにアウトソーシングしており、商品の幅広さが醸し出すバラエティーさという武器をもっている。また、何といっても価格も強力な武器だ。「100ドルあれば服からバッグ、アクセサリーや靴までコーディネートできる」ことをコンセプトにしているという。

黒船に対抗する日本勢もある。10以上のブランドを抱える株式会社ポイントは自社の7つのブランドを集積した「コレクトポイント原宿店」をオープンさせ黒船を迎え撃つ構えだ。
原宿から新宿に目を転じると、ユニクロがH&Mに戦いを挑んでいる。その様子は以前の記事「ユニクロ+丸井=ユニクロガールズが新宿大戦争を激化させる?!」で伝えたとおりだ。従来、「品質重視」であったユニクロはファストファッションとは一線を画していたのだが、リニューアルオープンした「新宿マルイ カレン」に出店し、コラボレーション店「ユニクロガールズ」を展開。11月に新宿進出を計画していると噂されるH&Mを迎え撃つ構えを見せている。

面白い分析をしている記事を見つけた。
<オンワードがH&Mに対抗! 無名の米大型衣料店を出店へ>
http://diamond.jp/series/inside_e/09_04_18_001/

<米国の新興セレクトショップ「オープニングセレモニー」の日本における商標権を獲得、今年秋に都内に売り場面積2000平方メートルの大型店を出店する計画>であるとし、<「3000円のカットソーから40万円のドレスまで揃うような、ファッション感度の高い店にしたい」(奥田彰・オンワード樫山常務)としているが、業界内ではH&Mの手頃な価格帯にぶつけてくるとの見方が強い。>と報じている。
つまり、オンワードでさえ、ファストファッションに参戦!と解釈しているわけだ。確かに、百貨店売上比率が高い同社は、百貨店の地盤沈下に付き合えば心中するしかなくなる。記事の解釈は正しいかもしれない。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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