BtoBのできる営業組織 虎の巻②

2009.04.13

営業・マーケティング

BtoBのできる営業組織 虎の巻②

上島 千鶴
株式会社Nexal ビジネス戦略、Web戦略コンサルタント

某大手企業に在籍中は人事部門で営業教育を実践してきた。転職し営業職の際には、500万の製品(顧客側の予算はハードウェア含めて1000万規模)の製品を、2年で100件以上決め込んできた。今はWeb戦略コンサルタントとして活動をしているが、各企業を第三者の視点で見ていく中で、営業スタイルについての傾向と良し悪しを以下にまとめる。

各社のコンサルティングを進めていく中で、その企業体質や企業看板、扱っている商品ライフサイクルなどによって営業スタイルを型にまとめることができる。

・天下り型営業


親会社から定年間近の人材が降りてきて彼らの人脈で案件が決まるケース。(口を開けて待つだけの営業)特に系列企業に多く出没する。
 メリット:大口案件が待っていれば取れる。人脈で繋がっているので話が早い。
 デメリット:親会社の依存度が高いとリスクも高い。定年退職されるとその人脈は切れ、引き継がれない。
 対策:できる限り、彼らの人脈を受け継ぐこと。

・癒着型営業


顧客の担当者が大学時代の親友だった、または趣味が同じで仕事以外にも付き合いが多いケース。一緒に競馬やゴルフなども行き、何か困ったことがあると優先的に電話が来る営業。営業時間外に、会社ではなく携帯にかかってくる営業マンに多い。
 メリット:信頼関係があるので、自ら営業しなくても相手から相談が来る。受注月に関して融通が効く。
 デメリット:会社組織同士の繋がりより個人的な繋がりが強いため、担当営業マンが退職すると案件毎消える。無駄な接待費が多い。
 対策:担当営業を2名付け、営業1人に依存させないこと。

・縦割り型営業


同じ会社内の営業組織同士で案件の取り合いを行っているケース。類似製品が社内にあるにも関わらず他事業部の製品は一切提案しない、身勝手な営業スタイル。特に大手企業内に出没する。
 メリット:一切無し
 デメリット:客から見た場合に、組織は全く関係ない。一利も無いし百害のみ残る。
 対策:営業の評価制度を再検討すること。自分にメリットの無い商品は営業マンは売らない。

・トップダウン型営業


役員自ら営業を行うケース。ベンチャー企業であれば現場が分かっているため問題ないが、顧客の理事長クラスを知っていると言って先に飲み食いやゴルフ接待をするケース。
 メリット:顧客に課題意識があり、担当部長クラスを紹介してくれれば案件に繋がる可能性は高い
 デメリット:結局ゴルフして終わり、経費ばかりが積み上がる。
 対策:必ず担当部長クラスを紹介してもらうように念を押すこと。

・引きこもり型営業


メールや電話のみで営業を行い、客先に全く足を運ばない営業。日中、資料作成ばかりしている営業に多く見られる。特に若い営業マン。
 メリット:無し
 デメリット:客の顔を見て話しをしないと本当の状況は分からない。電話やメールのみで案件は成立しない。
 対策:OJTで教育。頭で覚えるより体験型で覚える方が早い。

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