ユニバーサルカーブと草食系男子

2009.04.08

ライフ・ソーシャル

ユニバーサルカーブと草食系男子

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

1匹(頭)のメスを巡って、 2匹(頭)のオスが激しく争う。 発情期を迎えた動物たちが、 何十万年も前から繰り返してきた行為ですね。

ただ、もう一つ大きな理由があると思います。

それは、好みの女性を獲得するために、
また自分を選んでもらうために、

強さ、たくましさ

を女性に示す価値が低下してきたという点です。

現代の女性も、
地位、名誉、金、容姿を兼ね備えた

「白馬の王子さま」

が自分を迎えに来てほしいという願望は
持っていますよね。

しかし、現実を振り返ると、
「白馬の王子さま」と呼べる男性はほんの一握り。

実際には、それほど稼ぎも良くない男性と結ばれ、
共働きで生きていかねばならない可能性が高いこと
を自覚しています。

であるなら、いたずらに男性に

3高(高学歴・高年収・高身長)

を期待するよりも、むしろ

3低(低姿勢、低リスク、低依存)

の男性を選ぶことを志向するようになってきたのです。

3低の男性なら、
家事・育児も喜んでやってくれるだろうし、
上から目線の物言いをせず、他愛のない会話
にもつきあってくれるからですね

つまり、端的に言えば、
現代の女性が求めているのは

強さ、たくましさ

よりも

かわいさ

なんですね。

こうした女性の男性を選ぶ基準の変化が
生み出したのが、このところ注目を集めている

「草食系男子」

でしょう。

「草食系男子」を

‘お嬢マン’

と呼ぶ牛窪恵さんによれば、
草食系男子とはおおよそ次のような人。

・おっとりとしてマイペース
 「まあなんとかなる」とのんびり構えている

・多くはキレイ系
 スリムで少食。ファッション、コスメへの関心高い

・女の子との食事も基本ワリカン
 堅実で消費にしっかりメリハリをつける

・親・家族と仲良く、女友達にも紳士的
 同じ部屋に泊まっても安全。基本、狼に変身しない

こんな穏やかな草食系男子(年齢的には20-35歳が多い)
が増殖した結果、若年男性の殺人率が低下し、

ユニバーサルカーブの消滅

という現象としても現れてきたというところでは
ないでしょうか。

それにしても草食系男子の増殖は、
日本の消費行動や文化に大きな影響を
与えつつありますよね。

ちょっと腰を入れて、

「草食系男子」

の生態を研究してみる必要が
ありそうです。

(参考文献)

『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』
(牛窪恵著、講談社プラスアルファ新書)
→アマゾンはこちらから

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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