ユニバーサルカーブと草食系男子

2009.04.08

ライフ・ソーシャル

ユニバーサルカーブと草食系男子

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

1匹(頭)のメスを巡って、 2匹(頭)のオスが激しく争う。 発情期を迎えた動物たちが、 何十万年も前から繰り返してきた行為ですね。

他のオスと戦い、勝利を収めることによって、
オスは自分のたくましさ、生命力をメスに示す。

メスもその魅力に惹かれて、オスを受け入れる。

私たち人間のオス(男)も同様に、
好みのメス(女)を獲得し、またメスから選ばれるために
オス同士での「強さ」を競い合ってきました。

昔の西部劇などでは、
1人の女性を巡って決闘をするという場面が
ありましたよね。

まあ、さすがに現代では、
恋人を巡って殴り合うという人は少ないと思いますが、
変わりに様々な方法で男性は競い合ってます。

例えば、スポーツ選手が持つような行動な身体能力や、
学歴などで示される高い知性だけでなく、お金であったり、
地位・権力であったり、車などの所有物などによってです。

さて、女性を獲得するための男性同士の戦いは、
自分の血を後世に伝えるために遺伝子に組み込まれた
プログラムと言えます。

このため、基本的に、
男性は思春期を迎えると攻撃的になります。

そして、他の男性に負けたくないというプライドのために、
すぐに揉め事を起こしがち。

時にやり過ぎて、
相手を殺してしまうことにもなります。

ですから、横軸に年齢を取ったグラフで、
年齢別の殺人率(他人を殺めてしまう率)を描くと、
男性の20歳前半のそれがぐんと高くなるカーブに
なります。

つまり、右側(20代前半)にグラフのピーク(頂点)
があり、ガクンとさがって、そのあとは年齢が高く
なってもほぼ横這いが続くので、近年ネット業界で
流行った

「ロングテール」

のような形をしています。

このグラフの形は、
世界のどの国でもほぼ同じであることが
わかっているため、

「ユニバーサルカーブ」

と呼ばれています。

国は変われど、
男性の気質は変わらないということですね。

ところが、近年、日本では

「ユニバーサルカーブ」

が消滅してしまいました。

若い男性が以前よりも攻撃的でなくなり、
殺人を犯さなくなったのです。
(凶悪さは増加しているかもしれませんが)

年齢別殺人率のグラフを見ると、
ほぼ平坦な線が続きます。

そして、若年男性よりも、
むしろ中年男性の殺人率のほうが
若干高いくらいなのが最近の傾向なのです。

なぜ、日本の若い男性は
以前ほど殺人を犯さなくなったのでしょうか?

ひとつには、豊かな社会となった日本では、
殺人を犯すことによって失うものがあまりに
大きいから、自制するようになったという点
が挙げられます。

多くの若者が貧困にあえぐ国では、
失うものが少ない上にその貧困さからくる
絶望が攻撃性をより高めているのと対照的
ですね。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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