どうなる?カップヌードルの「肉」変更

2009.03.28

営業・マーケティング

どうなる?カップヌードルの「肉」変更

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

「品質改悪ではないか?」との声までがネットでわき起こっているという、日清・カップヌードル。具材を強化し、肉を「ジューシーな角切りチャーシュー」に変更するという同社からの発表を受け、根強いファンたちの間では異を唱える声も大きい。なぜ、そのようなことが起こっているのだろうか。

日清食品のニュースリリースでは、<このたびの具材強化により、お客様に「カップヌードル」のおいしさを実感していただき、カップヌードルブランドおよびカップめん市場全体の活性化を図ります>と、その意図を伝えている。
http://www.nissinfoods.co.jp/com/news/news_release.html?yr=2009&mn=3&nid=1577

リリースでも<発売以来、具材の増量や、容器の「ECOカップ」化など、時代に応じた「進化」を続け>てきたとしている。確かに、今回の「進化」に期待する声もある。一方で、あの独特のフニャっとしたしながら、どこか芯が残るような独特の食感をもった肉(ダイスミンチという名前だったようだ)が姿を消すのはなんとも寂しいというファンたちの声も大きい。一体どちらに転ぶのだろうか。

日清食品が37年間続くロングセラー商品に大きな改定を加えるには、もう一つ苦しい事情も伺える。
<カップヌードルの肉が進化? 日清食品、値下げ見送り“価値向上”>
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090326/biz0903260942006-n1.htm

昨年の小麦価格の急騰に伴って値上げを敢行したカップヌードルであるが、値上げの影響は小さくなく、値上げ前月比-52%という消費者からの手痛い「NO!」を突きつけられた。そして、今年に入ってからの小麦の値下がりによって、値下げも検討したものの、数年前よりいまだに高い状況にある相場から値下げを見送り、その代わりに品質向上を行うという結論に達したということだ。

価格の議論でいえば、昨年の値上げによる売上げ激減でわかるように、カップ麺のカスタマーバリュー、つまり、消費者がその製品にいくらなら払ってもいいと感じる価格は100円を大きく超えるものではない。そのカスタマーバリューにピッタリと合わせたプライシングをしているのがPB商品だ。ほとんどが98円、88円という価格でスーパーの店頭に並んでいる。
カップヌードルの現在の市場相場は170円程度となっており、もはやその差を埋めることはできようもない。その代わりに、日清食品では低価格帯商品のラインナップを充実させ、PB商品に対抗する戦略をとってきたのだ。それ故、原料価格低下に際して、「品質と味の向上による還元」という決断になったのである。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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