今日は、「マーケティング」と「広報」の境目がなくなっているという話を。『マーケティングとPRの実践ネット戦略』という書籍からの気づきです。
そうなると企業は、昔はできなかったアクションが可能になります。というようりは、ネット普及以前には行っていなかったアクションをすることが、事業を効率よく進めるために重要になってきました。具体的には、次のものです。
・メディアを経由せずに直接消費者に対して行う情報伝達やコミュニケーション
・オンラインでの広告出稿や購買促進(最終着地点はリアルもネットもある)
さて、これらのアクションは、既存の「マーケ」「広報」などの分類ではどこに入るのでしょうか? どの部署が行うのがいいのでしょうか?
既存の広報部はずっとマスメディアの人間を相手にしてきていますから、消費者に情報を伝えるという視点では慣れていません。
マーケの人も基本的には広告代理店やメディアを通じてのアクションが中心ですし、インタラクティブなやりとりには慣れていません。
販促を行う営業の人は消費者との接点がありますが、視点は直近の売り上げであって、初期認知やブランディングの考えには慣れていません。
そう。ネットを通じた消費者との直接のコミュニケーションを行う部署なんて、既存の枠組みには存在しないのです。組織として長い経験もないので、方法論が存在するわけではないのです。ということは、会社としてそれを行うやり方を知っている社員もいません。
さらに舞台がネットということもあり、何かしようとしたら必ずテクノロジーが関係してくるので、ネットの仕組みを理解していないと難しい。それに、加えてネットでは常に新しい仕組みやサービスが出てきて、企業が慣れるよりも早く、一般のネットユーザーが新しいツールを使ったコミュニケーションを行ってしまいます。
そう考えてみると、私がこれまで取材させていただいた「デキる」ネットマーケやネットPRやウェブ担当の人が、みなさん、個人として組織のなかで苦労して試行錯誤しながら成功に向かっていった人ばかりなのも納得がいきます。そうするしかないのですから。
でも、マーケと広報の境目になる部分こそが、ネットでおいしい部分なのです。海水と淡水が混ざり合う「汽水域」に魚が多く、良い漁場であるように。
んじゃ、具体的にどうすりゃいいの?
ここまでに書いたものは私の個人的な意見のまとめですが、冒頭で紹介した書籍『マーケティングとPRの実践ネット戦略』では、こういった変化を詳しく説明しています。さらに本書では、「じゃぁ、何をどうアクションすればいいのか?」「どんなメディアをどう使えばいいのか?」という疑問への具体的な答を提示してくれています。ネットで利用できるさまざまなメディアやツールを紹介しながら、ハウツーやアクションプランとして解説しているのです。
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2009.02.10
2015.01.26
安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長
企業のウェブサイト活用やウェブマーケティングに関するメディア「Web担当者Forum」(http://web-tan.forum.impressrd.jp/)を運営しています。