富裕層マーケティングの極意

2007.07.03

経営・マネジメント

富裕層マーケティングの極意

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

日経MJ(2007/07/02)のMJ論壇に、 『富裕層マーケティングの極意』 と題して、 アメックス(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル) 日本支社支社長、山中秀樹氏の寄稿が掲載されていました。

なかなか興味深いことが述べられていたので、
要点をご紹介したいと思います。

・現在の富裕層は、カネさえあれば、キンキラでもいいという
 かっての「成金」から、「オシャレで賢く、合理的な」
 スタイルへと洗練されてきている。

・富裕層をさらに細分化するとブランド志向の高い人と
 低い人がいる。

・富裕層を取り込む3原則は次の通り。

 1 emotional Affinity (感情への訴えかけ)
   →ブランド志向の高い層に「持つメリット」(利点)を
    訴求する
 
 2 rational value (理にかなった価値)
   →ポイントを航空各社のマイレージに交換可能など
    現実的な特典

 3 customer experience (感動体験)
   →会員に提供するきめ細かく、親身で質の良いサービス

・アメックスの会員が、カードの盗難や紛失など困った時に
 コールセンターへかけてくる電話に対する我々の第一声は
 「ご安心ください」。即座にカードを再発行でき、会員も
実際に安心する

なるほど。

金持ちは、誰もがブランド志向といった思い込み(固定観念)
は避けるべきなんですね。

いわゆる、「新富裕層」と呼ばれる人たちの
「心理と行動」については、正確な把握が必要なようです。

さて、山中氏は、

“安心感を抱かせるためには歴史も大切だ”

と強調しています。

“アメックスには、150年以上積み上げてきた世界で
 通用する安全と安心の顧客サービスの歴史がある”

とのこと。

確かに、ブランドは一夜にしてなりません。
長い時間をかけて培っていくものです。

そして、山中氏は、トヨタ自動車のレクサスが、
当初目標よりうまくいっていないということの理由について、
次のような見方を示しています。

“レクサス車は高い価格に見合う高い性能があるが、
 まず歴史がない。顧客は後ろにトヨタ自動車のエンブレムを
 透かしてみてしまう”

“加えてレクサス車を選ぶ顧客は高級ブランドにさほど執着せず、
 むしろ実利を求める層だろう。”

“ところが、レクサスの広告手法をみると、
 「感情への訴えかけ」が前面に出ており高級ブランドの
 イメージで売ろうとしている。”

“レクサスの場合は、「特徴」を訴求すれば、
 その性能・機能の高さで実利を求める顧客を取り込めるはずだ”

マーケティング・コンサルタント、森行生氏の

「プロダクトコーン理論」

によれば、新製品(新ブランド)の
訴求は、まず「規格」から始めるのが基本です。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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