販売促進業務における測定、分析及び改善の原点

2009.01.27

経営・マネジメント

販売促進業務における測定、分析及び改善の原点

中野 靖識

現在、小売業では店頭価格を簡単に上げることができない状況が続いており、いよいよコスト削減できる領域が縮小しつつあります。 販促費に関しても、費用対効果を今まで以上に見ることが重要になってきました。販促業務では、販促の全体を徹底的に検証し、測定・分析・評価の一連の流れを改善していく必要があるのです。 今回は、結果を出すための販促改善方法についてわかりやすく解説していきます。

最近のカーディーラーの催事が変わってきたことにはお気づきでしょうか。家庭内で父権が強かった時代は、訪問販売を中心として決定権者である「お父さん」だけをターゲットにしていればよかったことはよく知られております。車種やバリエーションも男性的で、機能中心のアピールがされていたことを記憶されている方も多いことでしょう。

ところが最近は、女性客の発言権が強くなり、家族で決めるケースが多くなっています。我が家もそうなのですが、「奥さん」が同行してくれないと決められなくなっているのです。当然、店舗における集客イベントはこのような要素を加味していかざるを得ないことは言うまでもありません。

以前、ホンダディーラーのチラシ企画に、「来場記念プレゼント、北海道産じゃがいも3kg!」という企画がありましたが、「じゃがいもが欲しくて車を買う顧客なんていない」と思った方はすでに頭が固くなっている証拠です。夫婦やファミリーが来場しやすいムードを作り、女性客に「同じ行くならココがイイ!」と思わせることで、カップルやファミリー客の来店を増加させることになり、結果的に購買チャンスが拡大するという発想が重要なのです。

■ 各種目標と効果測定指標の設定


ターゲッティングによって顧客ニーズの仮説が整った後に、各種目標の設定(売上、集客、成約数等の具体的数値目標)をしていくことになりますが、この時には当然過去の実績を整理しておかなければなりません。ベースとなる過去実績に基づいて、目指すべき目標を設定し、店舗全員で共有化します。

目標が設定された後に、それらを測定するための管理指標を設定します。管理指標を決める上では、指標そのものを結果系、プロセス系それぞれを組み立てつつ、各指標の管理責任者と管理タクトを決めることが必要です。(表1参照)

どの指標に誰が責任を持ち、どのくらいのタクトで管理していくべきなのかを明らかにしないと、現場でのアクションにつながりません。よく、「指標値を真面目に拾ってくれない」「報告がルーズ」「途中で止めてしまう」などといった声をお聞きしますが、そもそも計画段階で、管理責任者や管理タクトを決めていないことが多くあります。また、管理責任者を明確にするからこそ、その責任者に対して収集メリットを理解・納得させる動きができます。

計画段階から、現場に対する理解・納得を進めていかないと、うまくいかなくて当然とお考えください。

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