「女に喰われる男」のマーケティング論。

2009.01.19

営業・マーケティング

「女に喰われる男」のマーケティング論。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

成年誌「月刊PLAYBOY(日本版)」が2009年1月号で休刊した。ガツガツしていた若いころにお世話になった男性誌がなくなるのはさびしい。 男にとって、PLAYBOYは、永遠のものだと思っていたが、そうではないらしい。 時代は、変わった。

その代わりに、女性誌では昨年・・・
ViVi→「男落としの四十八手」。
With→「スゴイ恋愛技術)」。
MORE→「瞬殺!男のオトシ技」。
2008年non-no 4/5号では、
「男子の「草食化」でモテ基準が変わった!」という特集が組まれている。恋やセックスにがっつかない「草食系の男子」を攻めるには、、「待つな!とにかく行動ある のみ!」「過剰な駆け引きと期待は禁物!」「自分の人間性を 高めるべし!」と、女性側からの積極的な恋愛を薦めている。

「争い事が嫌い」
「居酒屋よりもカフェを好む」
「苦い味より甘い味が好き(スイーツ好き)」
「お肌のスキンケアを欠かさない」
「恋愛に消極的」な、『草食系男子』が急増していて、その男子を落とすためのテクニックが女性誌に特集されているのだ。

Cawaii! 4月号 の 「王道モテテクの正しい使い方!」によると、女性は 狙った草食系男子を「8.2秒見つめる」らしい。これは、肉食獣が草食獣を狙うときの行動そのもの。 遠くから女性に見つめられていると思ったら、「喰われる」ことを覚悟した方がいい。(笑)

言い方は不適切かもしれないが・・・女を食べたい男子より、『女に喰われる男子』が、トレンドだし、もてる。これじゃぁ、「月刊PLAYBOY(日本版)」も、休刊になるわけだ。

近頃の若年男子は、「酒も飲まない」「クルマも要らない」「セックスも要らない」のないないづくしだというニュースを、良く耳にするようになった。「酒」も「クルマ」も、「女性を落とす=食べる」ための武器なのだから、「セックスが要らない」となったら、そんなものを必要としなくなるのは、至極当然である。

私のフィールドである広告業界でも最近言われているのが「若い男はダメだ→女性の方がしっかりしてる」論だ。何をするにしても責任があって、仕事の推進能力が、女性の方が高い。かつ、経済観念もちゃんとしているので、利益も叩き出す。間違いなく短期欲求のハードル設定が、女性の方が高い。すべての欲望の高さが仕事欲と直結するとしたら、「男を愛でる」経済的優位のある女性が増えたということかもしれない。

・・・と、なると、多くのメーカーや流通は、「やっぱり女性市場」だよねという戦略をとる。一番、お金を使う可能性と欲求が高いところだから、当然だ。『女に喰われる男子=草食系男子』のマーケットなんて論外だ・・・。

では、本当に、そうだろうか?
『草食系男子』市場は、無視しておいていいのだろうか?

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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