このところ、テレビや新聞では、企業の業績や雇用情勢の悪化など、暗いニュースばかりを伝えており、年の瀬の日本には、不況風が吹き荒れています。
と同時に、電通の売上推移を子細に見ていくと、そこには、広告主のしたたかな動きを見て取ることもできます。
例えば、今年11月の電通の売上高は、前年同月比で約14%下落しました。特に大きな減少となったのは新聞(-24%)と雑誌(-17%)ですが、反対に、このような景況感の中でも、インターネット広告は、前年比4%のプラスとなっています。
お世辞にも、インターネット広告の効果・効用をしっかりと理解して販売しているとは言えない電通でさえ、前年以上の売上を上げているのですから、市場全体では、もっと大きな伸びになっていると考えられます。
この背景にあるのは、広告の「費用対効果」に対する関心の高まりではないかと思います。確かに多くの企業において、経営環境は悪化しているのでしょうが、それが契機となって、日本のマーケター達も、ようやく、広告の費用対効果を真剣に考えるようになってきた、というのが本当のところではないでしょうか?
実際、サブプライム問題が深刻化してきた秋以降、おかげさまで、小職のところにも、ご相談を頂く件数は、むしろ増加を続けている、という状況です。
この背景には、テレビや新聞・雑誌に比べて、インターネット広告は、費用対効果の測定という点では格段に優れている一方、費用は圧倒的に少なくて済むということもあります。例えば、先の電通の売上データで言うと、新聞広告は前年比で42億円、テレビは35億円の減少となっていますが、一方で、インターネット広告は売上の総額自体が20億円程度しかありません。
つまり、もし、削られたテレビの広告予算の10%(3.5億円)がシフトするだけで、インターネット広告にとっては18%近い大幅な増加、というインパクトを与えることになります。
サブプライムショックの震源地である米国で、B2B市場のマーケターを対象に行われた調査でも、インターネット広告費については、ほとんどの企業が、2009年は、むしろ広告支出を増やすという回答をしています。
景気は「気」から、などとも言われます。
読者のみなさまにおかれましても、不況報道にいたずらに惑わされることなく、費用対効果の分析と、SEMへの適正な予算配分により、2009年も、ライバルを押しのけ、更なるビジネスの発展を遂げられますよう、心より、お祈り申し上げます。
(本記事は、弊社ブログ『SEM Knowledge Bank by Le Grand』に掲載されたエントリーを、一部、本サイトの読者向けに再編集して掲載しています。)
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