日本社会の浮揚へ向け~内需拡大、カギは教育にあり!(後)

2008.12.30

ライフ・ソーシャル

日本社会の浮揚へ向け~内需拡大、カギは教育にあり!(後)

寺西 隆行
(株)Z会

経済新聞や経済の雑誌、様々な企業業績を見る限り、残念ながら世界的な不況に突入していることは間違いがないようですね。 ただ、「不況だ!」と騒ぎ立てている周りに影響され、勝手に「不況だ」と感じ、根拠なく周りに喧伝するのは避けたいものですが。

本投稿記事は、毎日更新中のZ会ブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。

前編からの続きになります。

内需拡大というと、すぐに施策として出されるのが「消費意欲の向上」のためのものです。
麻生首相が打ち出した通称「バラマキ施策」なんかがその典型ですね。

しかし、「お金が入ってきても使う気になれない」のが、不況のときの多くの人の心理状況なのです。
とくに日本人にはその傾向が強いでしょう。

「お金を渡した、だから(景気浮揚のために)使え!」なんて言っても、使わないですよね、フツウ。

また、子育てにそこまで負担をかけない社会を構築することで、子どもを産んで育てよう!という気持ちに溢れた日本社会を築き、少子高齢化の進行に歯止めを欠ける施策も考えられます。
もちろん、子育てしている家庭を社会全体が温かく見守ることは大事なのですが、だからといって「少子高齢化対策のために子どもを産もう!」というのは、なんか変。

消費意欲の喚起、子どもを産みたい!という社会の醸成…
いずれも考慮すべきことではありますが、1つ盲点があります。

どうしてもこれらのことは、個人の自由に委ねられる領域であることです。

個人の自由の領域を施策で補おうとしても、必然(声高に叫ぶにも)限界があると思うのです。

ただ、「お金は流通して初めて(社会の)景気が良くなるんだよ」とか「次世代の子どもたちが生まれ、幸せに育つことで社会も成長するんだよ」というメッセージを、若いうちからの「教育」を通じてメッセージングすることはできるかと思います。
短期的な施策ではありませんが、内需拡大に「教育」の果たせる領域の一つです。

しかし、僕の「内需拡大に教育が大切」と思う、最も大きなポイントはこれではありません。

今の日本社会に、そして日本の教育において大きく欠けている(浸透していない)点。

自らが価値を創造して初めてお金をもらえるという姿勢。
価値を創造することでとっても幸せになるという感覚。

この姿勢と感覚さえあれば…
社会は価値を創造しようとする人に溢れ、そこには今まで社会が気づかなかった需要も発掘され、別の価値創造しようとした人に需要が消費され…

お金の流れの好循環を生み出します。

社会全体が、「なんとかしろ!」という責任転嫁の大合唱をしているうちは、本質的に内需の拡大は望めないと思っています。
そして、その姿勢が若い世代に引き継がれると、益々悪循環になります。

次のページ若い頃から「価値創造」へ向かう姿勢の涵養と、仕事ができ...

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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