コミュニティ・ビジネスとしてのプロスポーツのあり方

2008.12.19

営業・マーケティング

コミュニティ・ビジネスとしてのプロスポーツのあり方

原 一真

レジャー産業としてのプロスポーツにも、CRM導入の動きが強まっています。その先に目指すべきプロスポーツのビジネスの形とは?

こうした「イベント型コミュニティ」に「環境支援」という意識を定着させる
ことができたらどうなるでしょう。
より良いスポーツのあり方を実現するための環境づくりに(子供と一緒に)
参加する喜び。そして、それを支援する企業。 (あるいはその演出。) 

自分はゲームに参加(=観戦)しなくても、あるいはゲームのない日でも、
施設やその周辺に行くことでシンパシィを感じることのできるような環境を
整備するところに、スポーツが「コミュニティ・ビジネス」として目指すべき
ひとつの到達点があるように思います。
Jリーグの「千年構想」には、それに近い概念も含まれているようです。

「ホーム&アウェイ」という言葉に象徴されるように、チームにとって
自分の街は、人や施設を含めて、全体が「ホーム」です。
チームが自分たちの誇りであると同時に、チームを持つ街に住むことも
誇りになる。それは、「ブランド」としてのスポーツチームの確立です。

(ブランドとはプライドであると言うことは、以前にも述べました。)

「体の中(身体)と外(環境)」を健康にすることをコンセプトとして
設定すると同時に、スポーツが本質的に持つ「参加性」によって球団
(企業+選手)と顧客を一体化し、ファン層全体にとっての「ホーム
(=環境)」を実現することができれば、「コミュニティ・ビジネス」
としてのスポーツは、その存在意義を確実なものにするはずです。

予断ですが、冒頭の2チームの撤退について。
社会人リーグの持つ独特のアマチュアリズムがスポンサーの受け入れを
拒んだことも事実ですが、チームが自社の「広告塔」であるという領域を
超えて、(会社という閉じられたコミュニティを超えて)、NPO的発想や
ファンクラブのコミュニティ産業化という視点があれば、また違った
アマチュア・スポーツの運営方法が見出せたかもしれません。

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