売るのか、売れるのか

2007.06.22

営業・マーケティング

売るのか、売れるのか

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

「デジタル化」の進展、それは、 何事も「数字」で把握する傾向 が強まることです。

確かに、「数字」という客観的な尺度で物事を見ることは、
企業運営を円滑に行う上で必要なことではあります。

しかし、この傾向が行き過ぎると

「数字至上主義」

になる危険性をはらんでますよね。

たとえば、伊勢丹の入社3-5年の若手バイヤーは、
売れ筋の品番を即座に、そらで言えます。
(日経MJ、2007/06/18)

品番はたぶん10桁とかの数字ですよね。
すごい記憶力。

ところが、店頭にいる時に、

「売れている商品はどれか」

と聞いても、バイヤーたちは商品自体は見ずに、
商品に付けられているタグの品番を探すんだそうです。

個々の商品の色や形ではなく、
数字でしか商品を識別できないわけです。

こうした傾向は、10年選手のバイヤーにもあるそうです。

1ヶ月に1枚も売れない衣料品のデータを見て、

「メーカーに返品していいですか」

と上司に聞きに来る。

上司は、「ちょっと待て」と言って、
この道30年のベテラン販売員を集めて、

「売れるものと売れないものを分けてくれ」

と頼む。すると、

「これはダメだけど、これはもっと前に出せば売れますよ」

などと分類してくれる。

そして、言われたように陳列をいじると、
1ヶ月に1枚も売れていなかった商品がいきなり

「ベストセラー」

に様変わりしたりすることがあるそうです。

単に、結果の数字だけを見て「売れない」と
短絡的に判断するのは必ずしも正しくない。

こちらに「売る気」があれば、
売れ始めることがあるということを忘れちゃいけません。

つまり、商品販売については、

・売るのか(積極的に・・・)
・売れるのか(商品力で黙ってても・・・)

の両側面があるわけですが、
どちらか一方ではなく、バランスが大事ですよね。

最後にもうひとつ、積極的に「売る」ことで成功した事例。
(Works 82号、2007/06/07)

京成成田駅徒歩数分のスーパー、「ヤオコー成田駅前店」

同スーパーで、調味料、お菓子、日用雑貨などを扱う
グロッサリー部門の責任者は、下澤洋子さん。

下澤さんは、ヤオコー92店のグロッサリー部門で
利益率トップの“スーパーパート社員”です。

さて、下澤さんが「売ろう」としたのは、長野県産のみそ。
1キロの定価が900円超。ずいぶん高いですね。

月1度の特売日は3割引になるものの、
同店の売れ筋みそは、200-300円程度でしたので、
特売日でさえ、価格差は2倍もあります。

したがって、このみそは、
特売日でも1日2個売れればいいほうでした。
(つまり、普段はほとんど動いていなかったということです)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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