中小企業が2009年に「生き残る」のためのM&A活用方法

2008.12.08

経営・マネジメント

中小企業が2009年に「生き残る」のためのM&A活用方法

佐武 伸
株式会社サンベルトパートナーズ 代表取締役

景気後退が鮮明になってきたことに伴って、様々な業界で「生き残り」を掛けたM&Aが活発化してきました。2009年は中小企業にとって試練の年となりそうです。ぜひ前向きにM&Aを活用していただいて「変化の時代」を生き抜き、「事業継続」を果たしていただきたいと思います。


石油元売業界では、12月4日に新日本石油と新日鉱ホールディングスが経営統合することで基本合意したと発表しました。また、6日には三菱商事がイオンの筆頭株主になり、今後商品調達や海外事業などで包括提携すると公表しました。これらの統合や提携は規模の拡大で販売力やシェアを高め、国際調達網なとを活用して経営効率を高め、巨大連合同士が総合力を競う時代に「生き残る」ためのM&Aなのです。

中小企業でも景気後退と資金繰り悪化に伴い、「生き残る」のためのM&Aが年末から来年3月にかけて急増しそうな気配です。

それでは、「生き残る」ために中小企業はどのようにM&Aを活用すればいいのでしょうか。以下のような事例を参考にしてください。

(売り手)
・資金調達目的のために不採算部門を事業譲渡で売却
・単独ではリソース不足のため、大手企業と業務資本提携
・成長部門を子会社として会社分割し経営効率を高める
・MBOによる世代交代

(買い手)
・販売エリア拡大のために他地域の同業者を買収
・本業不振を補うために異業種を買収
・販売力向上のために川下企業を買収
・上場を達成するために同業者で業務資本提携
・人手不足を解消するために買収

なお、中小企業が買収する場合に一番ネックとなるのが資金調達です。事業承継案件に限定されますが以下の政府系金融機関ではM&A用の融資制度も準備しておりますので参考にしてください。

?国民金融公庫の事業承継支援資金の活用
条件:
①後継者不在により事業継続が困難となっている方から事業の譲渡等により事業を取得する方
②資金の使い道:事業承継を行うために必要な設備資金及び運転資金
③融資金額:7,200万円以内(うち運転資金4,800万円以内)、返済期間:設備15年以内(運転5年以内)
④保証人・担保:ご相談

?中小企業金融公庫の活用
条件:
①後継者の不在などにより事業継続が困難となっている企業などから事業の譲渡等により経済・社会的に有用である事業を承継するかたで、承継に際して民間金融機関の協力が得られるかた
②資金の使い道:事業承継を行うために必要な設備資金及び運転資金
③融資限度:7.2億円(うち運転資金4.8億円)
④担保・保証:担保、保証人が必要(ただし、一定の条件を満たす場合には免除制度あり)

2009年は中小企業にとって試練の年となりそうです。ぜひ前向きにM&Aを活用していただいて「変化の時代」を生き抜き、「事業継続」を果たしていただきたいと思います。

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佐武 伸

佐武 伸

株式会社サンベルトパートナーズ 代表取締役

中小企業M&Aの専門会社です。仲介業、財務調査、企業価値算定等のサービスを完全成功報酬体系でワンストップで提供させていただきます。 URL: http://www.sunbeltpartners.co.jp/

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