恩を武器にするな~中村紀洋選手FAに対する意見を見て~

2008.11.17

ライフ・ソーシャル

恩を武器にするな~中村紀洋選手FAに対する意見を見て~

寺西 隆行
(株)Z会 教室事業部特命職

中日ドラゴンズの中村紀洋選手がFA宣言をするようですね。

本投稿記事は、毎日更新中のブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。

プロ野球に興味がある方であればご存知だとは思いますが、中村選手は

・オリックスとの契約交渉で球団の提示金額以上のものを要求し続けた
・結果オリックスから自由契約を言い渡された
・中村選手が希望するような金額で彼を採用する球団がなかった
・そんなときに中日ドラゴンズの入団テストを受け、「育成選手」(年棒が400万円程度)にて採用された
・同年(2007年)、育成選手 → 支配下選手登録 → 一軍 と這い上がり、とうとう日本シリーズのMVPを勝ち取るまでになった

という経緯がある選手です。

この経緯を短く言えば、中日が「拾ってあげた」という状況ですし、中村選手も「中日に拾ってもらえた」という発言をずっと続けていました。

そんな彼がFA宣言をし、中日を出ようとしている。
傍から見たら「拾ってもらったのにその恩を裏切るのか!」という思いになるかもしれませんし、実際インターネット上の書き込みでは、そういうコメントが散見されています。

でも、恩を武器にしちゃいけないんと思うんです。
恩を与えた、それはそれであって、返されることを期待しすぎちゃいけません。
逆に、恩を返すことが強制であれば、与えた段階でそれはすでに恩ではありません。

もちろん人間ですから、「恩返しをしなければ」という姿勢が余りにもない人は困り者です。
だからといって、恩を与えた人間が何でもかんでも「恩返し」を執拗に求めてはいけませんし、ましてや当事者じゃない第三者が「恩知らず!」のような言い方をするのは、それもどうかと思います。

35歳の中村選手、現役選手である寿命はもう少ないでしょう。
だったら「他球団の評価を聞いてみたい」と思う気持ちは、自然だと思います。
角度を変えて見たら、最大の恩返しはプロ野球選手として長く活躍することであって、そのためにも「評価」を受け続ける、という姿勢は、プロ野球全体の繁栄のために好ましいことだともいえます。

もう1つ。
中村選手を400万で雇用できた2007年。
日本一を勝ち取るために、彼は不可欠な存在でした。
中日ドラゴンズファンとして断言します。

十分恩は返してもらっているとも感じています。

恩返しを執拗に求める姿勢からは、新たな価値は創造されません。
中村選手は中村選手、彼の選択を「それはそれ」と受け止める姿勢から、次の新たな価値を模索し、発見し、そして創造できるのではないでしょうか。

今回の例はプロ野球のお話ですが、人間関係いたるところで同じですね。
「恩を与えて“やった”」という姿勢の人は、実のところそんなに恩を与えていません。
「あ、なんか良い事できたかな」くらいに受け止めている人が、最大の恩を社会に対して与えている、そんなものだと思います。

恩を武器にするなー
自分が喜ばしいと感じる、だから少しでも恩を与える自分でいるー
そんなメンタリティを、教育を通じて、少しでも子ども達に伝えられるといいのですけど。

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会 教室事業部特命職

幼児から大学生・若手社会人の教育に携わる(株)Z会にて、教室部門にて様々な開発に奮闘中。前任ではWeb広告宣伝・広報・マーケティングなどを担当。 ※本サイト投稿記事は個人の見解です。

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