SANYOブランドは、なぜ弱体化したのか?

2008.11.05

営業・マーケティング

SANYOブランドは、なぜ弱体化したのか?

原 一真

PanasonicによるSANYO買収から、ブランド・ポジションのあり方を考えます。

Panasonicが三洋電機に対し、友好的TOBを仕掛けるという報道が
なされました。成立すれば、売上高11兆円(!)を超える日本最大の
電機メーカーが誕生します。

Panasonicの狙いは、SANYOの持っているリチウムイオン充電池と
太陽電池の技術です。今後の成長が見込まれるモバイル機器やハイブリッド
自動車の分野で、三洋のリチウムイオン電池は世界トップシェアを
誇っていますし、太陽電池でもシャープに次ぐ実績を持っています。

Panasonicには、「Let’s note」という、モバイルPC市場No.1の
ブランドがあり、グループのPanahomeという住宅事業を考えても、
三洋電機の存在は、確かに大きい。
太陽電池と燃料電池は、Panasonicにとって非常に魅力的な経営資源な
わけです。

しかしこれほどの世界有数の優れた技術力を持ちながら、なぜ三洋電機は
「買収される側」にならざるを得なかったのでしょう。

私はこのニュースを聞いて、国内最大の電機メーカーの誕生という話題よりも、
以前、コモディティ商品のブランド戦略の際に考えた「で・ブランド」と
「が・ブランド」という概念を思い出しました。

この概念は、原研哉さんがある雑誌の中で「無印良品」のコンセプトについて
説明していらっしゃる時に、ほとんど同じ趣旨をこの言葉で語ってあったので、
びっくりしたのですが、概念整理の仕方が同じであれば、言葉が重なることが
あっても不思議ではないワケです。

それはともかく、この買収話。

一言で言ってしまえば、SANYO関係者には申し訳ないのですが、
家電業界において「SANYO」というのは、決して強いブランドでは
ありません。

なぜでしょう。

「Pain&Pleasure(痛みと喜び)」という、広告における2大アプローチを
ご存知の方も多いかもしれませんが、人の需要を喚起するためには、
「苦痛から解放する」ことを訴求するか「喜びを与える」ことを訴求するかの
2方向しかないと言われています。

家電製品の利用シーンを考えたとき、洗濯機や掃除機というのは、どちらかと
いえば「Pain(嫌なこと)」を緩和する機械です。一方、AV機器やPCは
「Pleasure(楽しみ)」を増幅する機械です。

SANYOとPanasonicというブランドを並べたとき、どちらに「Pain型」
商品が多く、どちらに「Pleasure型」商品が多いか考えてみてください。
明らかに、Panasonicに「Pleasure型」商品が多いことが分かります。
より快適な生活をイメージするとき、どちらの商品グループに家電製品
としての付加価値を感じるかといえば、後者でしょう。

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