HCC:部外者...でも、リーダーシップ

2008.10.23

ライフ・ソーシャル

HCC:部外者...でも、リーダーシップ

安澤 直樹

 無能な上司の下で働く部下も大変ですが、帰属意識が持てないまま派遣先や出向先で働く人も現場コミュニケーションには悩んでいるようです。

 例え自分が考えた答えがベストだと思っても、あくまでも参考レベルにとどめ、それを押し付けるのはやめてください。それは相談者の非合理な思い込みかもしれません。このコミュニケーションの目的が、現場の自立であることを忘れないでください。

 最適解を求めるにはトライ&エラーを繰り返さなければならないでしょう。現場の自立のためのトライ&エラーに協力してください。

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 相手の行動がお粗末に思えたとしても我慢してください。自分にとっては一般常識でも、知らなかった人にとっては新たな知識です。

 ●あなたが教えた知識をクライアント社員が活かすには、どんな工夫をすればいいのでしょうか?

 相談者が与えた知識がクライアントの将来に役立つものであってほしいと思います。相談者がクライアント企業に残してきた萌芽が大きく成長するための土壌づくりを心掛けてください。

 「クダらない質問に、いちいち答えるのが面倒くさい」とせずに、「答えてもいいけど、どうやったら相手の将来の役に立つのか」を意識してみてください。

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 たとえ短期間であっても、ビジネスパートナーです。

 ●協働することで、何が創造されるのか?

 少し変則的かもしてませんが、相談者には、フリーランスの部外者の立場からのリーダーシップを意識してほしいと思います。もちろん、現場には部課長といった正規のリーダーが居るでしょうから、差し出がましい行動はとりづらいでしょう。しかし、

 「自分が去った後のことまで考えています」
 「自分が居なくなっても支障がないような自立したスタッフになってほしいです」

 こんなスタンスで社員に接することができるのは有能なフリーランスの特権です。正社員リーダーの嫉妬や妨害を受けることも少ないと思います。

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 ●小さなことでも、ポジティブな影響を受けたことを伝えください。

 フリーランスの立場ならではの、現場の人たちに自信を与える場面が多数あるのではないかと思います。自信をつけさせることは自立を促進します。

 「Aさんの協力のおかげで、いつもより早く終わりました。ありがとうございます」

 日常のこの程度の会話は必要ないと思うかもしれませんが、小さな心遣いが徐々に効いてきます。

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 自立した現場になれば、現状の相談者への安易な質問攻めはなくなるでしょう。安易な質問攻めを防ぐには、こんなふうに相手のスキルや意識をワンランク高いレベルに引き上げるのも方法の一つです。

 みんなが自立したら仕事がなくなるといった不安は不要です。クライアントが相談者と過ごした時間が貴重だったと思ってくれるなら、去った後にも相談者の影響がクライアント企業で活かされるのであれば、それは相談者の評価を高めることになるのですから。

 HCCは、ハイクオリティ・コミュニケーション・ケーススタディ(High Quality Communication Case Study)の略です。人間対人間のコミュニケーションは多種多様で唯一絶対の方法は存在しません。最善の方法もさまざまな条件下で異なります。あくまでも参考として活用してください。

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