DoCoMo2.0は果たして成功するか?

2007.06.13

営業・マーケティング

DoCoMo2.0は果たして成功するか?

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

ここ数年、多数の人気タレントを同時起用した ブランドコミュニケーションが目立ちますね。 その中でも、 最も成功したのは、資生堂の「TSUBAKI」でしょう。 初年度の予算は50億円だったといわれていますが、 とてもその予算内に収まっているとは思えない露出量でした。 さて、多数タレント同時起用の狙いは、 大きくは2つ挙げられます。ひとつは、 「インパクト効果を高めるため」 です。

1人よりは2人、2人よりは3人、と華のあるタレントが
多く登場すればするほど、消費者の関心(アテンション)を
より多く引くことができますから。

そして、もうひとつの狙いは、

「ターゲットを広げるため(絞込みすぎない)」

ためです。

資生堂の「TSUBAKI」の場合、ブランドを統廃合して、
特定少数のブランドにマーケティング資源を集中する

「メガブランド戦略」

の一環として立ち上げた新ブランドですが、
メガブランドは、マーケットリーダーとなることが必須。

つまり、市場シェアの最大化を目指さなければなりません。

ということは、細分化されたターゲットを狙った従来の
ブランドと異なり、いわゆる「大衆」(マス)を狙って
いかなければなりません。

ただ、現代の大衆は、
価値観やライフスタイルが多様化しています。
(そもそも、もはや「大衆」とは呼べない)

したがって、一人のタレントだけでは、
大衆の一部の心しかつかめないわけです。

そこで、多数のタレントを同時起用して、
できるだけ広範囲の大衆をカバーしようとしている。

このあたりは、以前次の記事でも書かせてもらった
ことでした。

資生堂のメガブランド戦略:
◎ブランドではなく、意味を多様化せよ

そして、今、「DoCoMo2.0」でも、
8人もの人気タレントを起用した大々的な
ブランド・コミュニケーションが展開されていますね。

現在54%のシェアを持つマーケットリーダーのDoCoMoの
至上命題は、シェアの死守・拡大。

チャレンジャーのau、ソフトバンクモバイルほど、
尖がりすぎるわけにはいかないのです。

目立つことはやりたいけれど、
マスにそっぽを向かれるわけにはいかないということが、
多数タレント同時起用につながったんじゃないかと思います。

また、DoCoMo2.0のようなアプローチが行われる背景には、
携帯電話はもはや成熟商品であり、これ以上、
機能・性能的おいて劇的な差別化はなしえず、
またベネフィット(便益)における優位性の確立も難しいこと
があります。

シンプルマーケティングの森行生さんの

「プロダクトコーン理論」

によれば、商品の次の3つの切り口

・規格(機能・性能)
・ベネフィット(規格がもたらす便益、価値)
・エッセンス(端的にはブランドイメージ)

において、基本的な訴求の順番は、

規格→ベネフィット→エッセンス

と進んでいくべきとされています。

携帯電話においても、これまでまず規格、次にベネフィットが
アピールされてきたわけです。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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