金融危機に思う~芯のある「これでいい」という行き方

2008.10.06

ライフ・ソーシャル

金融危機に思う~芯のある「これでいい」という行き方

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

【秋・小淵沢発】今日は徒然なるままに「金融危機」と「知足」と「無印良品」について書きます。

初秋の小淵沢に来て、仕事をしています。
先週はすばらしい晴天が続き、抜けるような高い空を感じました。
八ヶ岳南麓に広がる黄金色の田んぼでは、稲刈りが始まっています。

◆「テコ」が肥大化し、その逆利き力によって振り回される
さて、私が滞在している部屋のテレビは、先週から、
米国議会の金融安定化法案否決を発端とする金融市場の混乱のニュースを
しきりに報じています。

『メディア論』(原題:“Understanding Media”)を著したマクルーハンは、
メディアを「身体の拡張」と言い表しました。
例えば新聞やラジオは耳の拡張であり
テレビは目の拡張といった具合です。

この論を敷衍して言えば、
科学技術は人間の諸機能を拡張する、といえるでしょう。
電車やクルマは脚の拡張ですし、
生産工場は手の拡張です。
そしてこれら科学技術は、
身体を拡張するとともに、欲望も拡張する。

そして、ついに人間は禁断の果実である
「カネがカネを生むシステム」に手をつけ、
膨張する金欲をみずから統御できなくなってしまっているように思えます。

確かに「テコ」は便利な道具ですが、
その蜜の味をしめると、「テコ」を用いることが中毒になり、
「テコ」をどんどん肥大させていく回路に入る。
そして、今度は逆利きしたテコの力によって人間が振り回されることになる。

◆金利をめぐる欲望が複雑に渦を巻く
米国では金融機関の救済に関し、
「なんでウォール街のFat Cats(金利で荒稼ぎする肥えた猫ども)の後始末を
血税でやらねばならないのだ」という声が大きい。
(その声は日本も欧州も同じ)

しかし、現況の金融システムは
一部の貪欲なFat Catsを吊るし上げて、糾弾すればそれで済むという
簡単な問題ではない。

庶民一人一人のレベルにおいて、
銀行に対し「預金金利をもっと上げろ」と思う。
また、超低金利の預金では不満なので、株式に投資する。
そして株主として「株価よ、もっと上がれ。もっと配当を増やせ」と思う。
年金や保険に対し「掛け金より1円でも多く受け取りたい」と思う・・・

こうした庶民一人一人の欲望の圧力が、実は、
Fat Catsを養い、跋扈させている要因でもあるからです。
金利をめぐる欲望は、世の中あげてぐるぐると複雑に回っている。

◆「効率的な人生」・・・とは何か気持ち悪い
私が企業勤めを辞めたのは5年前。
最後の会社は国内最大手の一角のIT企業でしたが、
そこでは、日々、管理職として、
利益追求、生産性向上、効率性追求、シナジー、レバレッジ、スピードなどを
一種、信仰のように「是」であり、「善」であると思い込み、
自身でも行動し、もちろん部下にも推奨していました。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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