Webユーザビリティ失敗事例・・・新宿ピカデリー

2008.09.05

営業・マーケティング

Webユーザビリティ失敗事例・・・新宿ピカデリー

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

今年(08年)7月19日にオープンしたばかりの映画館 (シアターコンプレックス)、 「新宿ピカデリー」 に行かれた方います?

このシナリオに基づけば、
「映画館のサイト」に訪問する最大の目的は、

「上映時間を調べる」

ことです。

したがって、

サイト訪問者が、上映時間のページにすぐにたどり着ける

サイト設計が必須だと思われます。

ところが、新宿ピカデリーのサイトでは、
メインメニューにありませんし、作品一覧からも行けません。

上映時間のページは、画面左上部の

「チケット購入ボタン」

からしか行けないのです。

つまり、新宿ピカデリーの現状のサイトでは、

「上映スケジュール」

が、

「オンラインでのチケット購入プロセス」

のひとつとして組み込まれているわけです。

「チケット購入ボタン」の下には、

>>上映スケジュールもこちら

というテキストが小さく添えられてはいますが、
あまり目立ちません。

この「チケット購入ボタン」は、
全ページに常時表示されているものです。

しかし、いきなりチケット購入ではなく、
まずは上映時間を調べたい人にとっては無意識に
無視してしまうボタンです。

そんな方は、最初どこに上映時間が表示されているのか
わからず、探し回る羽目になるのではないかと思います。
(私もそんなひとりでした・・・)

また、上映時間表示が

「オンラインでのチケット購入プロセス」

に組み込まれていることで、
さらに大きな問題を生んでしまっています。

当サイトでのチケット購入は、
1週間先までしかできないことになっています。

例えば、今日(9月5日)時点で予約できるのは、
9月12日(金)までです。

チケット購入ボタンを押すと、
まずカレンダーが表示されるのですが、
日別の上映スケジュールが確認できるのは、
チケット予約が可能な9月12日までです。

したがって、9月13日(土)以降にここで映画を
観たいと思っても、13日以降の上映スケジュールは
確認することができないのです。

ご存知の通り、映画は封切り後の集客度合いによって、
上映回数、上映時間がたまに変更されますよね。

行きたい日の上映時間が確認できないと不安です。

ですから、現在のサイト設計だと、
1週間以上先に映画を観たいと思っている消費者を
最悪、取り逃がしてしまっている可能性がありますよね。

新宿ピカデリーさん、
早いとこ、この部分リニューアルお願いしますね!

*新宿ピカデリー
http://www.shinjukupiccadilly.com/index.html

→トップページのスクリーンショット

→カレンダーのスクリーンショット(08/09/05現在)

→スケジュールのスクリーンショット

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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