日本のSWOT分析と福田康夫首相の新たなリーダーシップ

2008.08.07

ライフ・ソーシャル

日本のSWOT分析と福田康夫首相の新たなリーダーシップ

猪熊 篤史

日本の強み、弱み、機会、脅威と福田首相の新たなリーダーシップの可能性について考えてみたい。

 8月2日に正式に福田改造内閣が発足した。7月初旬に洞爺湖サミットを成功させ、次期衆議院選挙をにらんだ新体制がスタートした。8月15日の終戦記念日を前に、広島と長崎では63回目の原爆の日を迎えている。経済対策、環境、財政再建などが話題になる中で、日本の新たな戦略が問われているようである。

 世界第2位の経済力、人口、治安、気候、格差の少なさなどは日本の強みとして挙げられるであろう。弱みとしては、資源の乏しさ、民族の単一性、言語などが挙げられるだろう。また、機会としては、グローバル化、情報社会の発達、新興市場の発展などがあるだろう。脅威としては、地球温暖化や国際テロなどがあるだろう。

 このようなSWOT分析において、企業戦略などでは、まず機会と強みの組み合わせに対する戦略が思い浮かぶだろう。強みを活かして機会を最大化することが最も一般的な戦略のあり方のようである。具体的に言えば、経済力、あるいは、自動車や家電製品など競争力のある製品によっていかに新興市場において市場を獲得するかという戦略などが思い浮かぶ。次に考えられるのは、弱みを克服していかに機会を享受するかという戦略である。具体的に言えば、世界標準となる英語を学んでグローバルな情報社会において優位に立とうとすることなどが考えられる。その次は、強みで脅威を克服する、あるいは、他者には脅威でも強みで脅威を機会に変えるという戦略である。景気の展望が思わしくない中で、日本の歴史や伝統文化をプロモートすることによってオイルマネーで潤う国々からの観光や投資を促進する戦略などがあるだろう。あまり注目されないのは、弱みと脅威の組み合わせである。この組み合わせは、最悪の事態を回避するという発想になることが多いようである。高水準にある原油価格がさらに上昇することを恐れて先物を買って原油価格の上昇リスクを抑えるとうのは、弱みと脅威の組み合わせに対する対処策の例になる。

 強みは弱みの裏返しであり、弱みは強みの裏返しであることが多い。例えば、高い経済力を実現している日本社会は過去の成功体験にとらわれて、経済や産業の成熟化、社会や組織の衰退が進行しやすい危機に直面していると言うことも出来るだろう。また、単一な民族による単一な文化だからこそ、あうんの呼吸によって外国人との交渉を優位に進めることも出来るだろう。機会と脅威も互換的な関係にある。

 最近興味深さを増しているのは、弱みの強みへの転換、脅威の機会への転換である。弱みと脅威の組み合わせに対するやや後ろ向きな思考ではなく、発想の転換によって、弱みと脅威の組み合わせを強みと機会の組み合わせに変える戦略が政治の世界で展開されている。

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