マーケティング情報士官

2007.05.30

営業・マーケティング

マーケティング情報士官

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

先日書いた「リサーチリテラシー」や「思えばなる方式からの脱却」の記事では、

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・企業によっては、商品開発担当者や上層部の
 「調査」の役割や意義に対する理解があまり高くないこと。

・このため、「調査」が正しく実行されないこと。
 (やらずに済ますことさえある。)

・このことが、優れた商品開発の障害となっていること。

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等を指摘させていただきました。

上記記事で私が言いたかったことは、本音ベースでは、

“マーケティングにかかわる方は、
 最低限のリサーチについての知識を持っておいてほしい”

という「ボヤキ」でもありました。(笑)

しかし、リサーチを発注する相手に文句を言う以上は、
調査を担当するマーケティング・リサーチャーとしての

「あるべき姿」

も再確認しておくべきですよね。

マーケティング・リサーチャーとしてのあるべき姿とは、

「リサーチャーは、本来どんな仕事をすべきなのか?」

という本質的な問いに答えることでわかります。

恥ずかしながら、私はこれまで、
この問いに対する明快な答えを持っていませんでした。

しかし、最近になって、
国家安全保障のための諜報活動の文脈で使われる

「インテリジェンス」

の考え方に大きな示唆を得ました。

「インテリジェンス」を扱う人のことを
情報士官(インテリジェント・オフィサー)と呼びます。

情報士官の仕事は、ベストセラー『ウルトラ・ダラー』の
著者であり、元NHKワシントン支局長として知られる手嶋龍一氏
によれば次のようなものです。(私の解釈が多少入っています)

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・玉石混交の膨大な情報から、
 ダイヤの原石と思われる情報を見極め、選び出すこと

・ダイヤの原石らしき情報に磨きをかけること、
 すなわち、その情報の真偽、信憑性を確認するための裏を
 取ること

・磨きをかけた情報をさまざまに組み合わせて、
 将来の変化について、新たな発見や予測を行うこと

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上記を読むとおわかりだと思いますが、
情報士官の仕事は、単に‘情報を収集して’
政府関係者に提供することではないことがわかります。

情報士官が提供する「インテリジェンス」は、
政府関係者(その頂点には、大統領や首相がいます)
の重大な意思決定に役立つ

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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