エンジニアとバイヤーの境界

2008.07.24

経営・マネジメント

エンジニアとバイヤーの境界

野町 直弘
調達購買コンサルタント

エンジニアとバイヤーは相反しているのか? 一番の問題はエンジニアとバイヤーを巡る多くの議論があくまでも「人」を基点とした議論であることです。

欠けているのはプロシージャーの中身であり、
関連部門の上手い活用方法、コツなのです。

「バイヤーAさん」と「エンジニアBさん」はコツを知っているのです。
コツは継承可能になって初めてノウハウになります。
つまり、コツを継承可能なものにするための取組みが
欠けていることが実は一番の問題ではないでしょうか?

組織間、人対人の相反、対立を解決することが必要なのではなく、
「当たり前」のことを「当たり前」にできるような
動機付け、意識改革、仕組み(会議体やプロシージャー、人事交流、教育)
これらが必要なのではないかと思っています。
(一方でこんなことは人間として当たり前なこととも言えますが)

開発初期の段階で購買部は設計にプレゼンをやる。
仕組みはあっても問題はプレゼンの内容です。
開発の製品開発のコンセプトや開発のニーズが何か?
これが分からないとプレゼンのしようがありません。

例えば、今回は低コスト機種の開発だから、
「低コスト化に絞ったプレゼンをやる」とか
今回は最量産機種の開発だから、
「入手性の高い部品や枯れた技術、標準化に絞ったプレゼンをやる」
というようなことです。

誰も教えてくれませんが、教えてもらうことでもないような。

ロールモデルという言葉が良く米国の企業では使われます。
人間としての見本です。
見本から如何にノウハウを学びとっていくのか、
彼らはこういう取組みも当たり前のようにやっています。

「教育の問題」と言ってしまったらそれで解決はしませんし、
「結局は人だよ」と言っても始りません。
「コツを継承する仕組みづくり」が一層求められているのではないでしょうか?

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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