人財に強い組織は「仕事の舞台化と組能力」

2007.05.25

ライフ・ソーシャル

人財に強い組織は「仕事の舞台化と組能力」

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

【軽井沢発】職場がほぼ単一民族で構成される国内企業も、ヒトの「ダイバーシティ(多様性)・マネジメント」が決して無視できない時代になってきました。

東京を離れ、信州の地で「仕事キャンプ」中の村山です。
私はきょうは、森の中にキャンプ用のテーブルと椅子を出して、
5月の風と木漏れ日と野鳥の声を友としながら、
気ままに本を読み、原稿を書き、
間食をし、昼寝をし、日長、仕事をしております。

さて、
今回も前回に続き、働き方の多様化に関連して書きます。

近年、企業の組織・人事の世界では、
『ダイバーシティ・マネジメント』が大きな関心事となってきました。
つまり、“ヒトの多様性”をいかに取り仕切り、活かしていくかです。

もともとは米国発であり、
当初は、1つの組織の中の性別や人種、国籍、年齢といった多様性を
どうマネジメントしていくかだったわけですが、
単一民族色が濃く、堅固な年功序列ヒエラルキー型の国内企業にあっては、
長らく、どことなく縁遠い話でした。

ところが、昨今は事情が変わり、一転して、
ダイバーシティ・マネジメントに関心を寄せざるを得なくなりました。

その理由は主に、
・全社的な人的資源のポートフォリオ戦略
・多様な働き方推進による労働生産性の向上
・人手不足による優秀な人財の確保が切迫している現状
の3つがあるように思われます。

まず、1つめに関して:
業務をコア業務とノンコア業務に区分して、
正規従業員と非正規従業員にそれぞれ振り分ける人的資源管理が一般化しましたが、
非正規従業員といっても、
パート・アルバイト・契約社員・派遣社員とさまざまありますし、
かれらは必ずしもノンコア業務分野に留まらず、
コア業務に携わる状況も出てきました。

そうしたときに、
正規・非正規を問わず、多様な契約形態の働き手たちを
どうポートフォリオ的に組み合わせて
最大の効果・効率をあげていくかという多様性マネジメントが
ここに必要になってきたわけです。

次に、2つめに関して:
先般、とある大手IT企業に訪問しましたが、
そこは、『フリーアドレス制』と『テレワーク制』を導入していました。
数百名いる営業部隊の社員には、
オフィスに固定された席や電話はありません。
出社すれば都度都度に適当な席に座り、ノートパソコンと携帯電話で仕事をします。
直行・直帰・在宅勤務は、上司へのメール1本で承認されればOKです。
これは外回り営業という職種だからこそ導入しやすいという点もあります。

これらは、制度自体が進化を続けている最中なので、
即断でよいわるいを論じられませんが、
もし、働き手が自律的にうまく職務を管理できれば効率的でしょうし、
会社側にとってもオフィス運用の効率を生みます。
(会社側は、営業部隊の社員数の半分ほどしかデスクを設置していない)

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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