消費者行動【7】 心のスイッチのON、OFF、ニュートラル

2008.07.06

営業・マーケティング

消費者行動【7】 心のスイッチのON、OFF、ニュートラル

猪熊 篤史

消費者行動をON、OFF、ニュートラルという3つの状態と複数の消費者間におけるそれらの状態の相互作用について引き続き考えてみたい。

OFF・ON型のコミュニケーションに対して、投資に失敗して路頭に迷った辛い経験を持つ現在の成功者にはニュートラル・ON型で受け入れられることもあるだろう。この場合も、消費者2の受容を受けて、消費者1のコミュニケーションがニュートラル・ON型に変化することがある。

このような消費者1のコミュニケーションにおける変化は、中長期的な変化である。数日や数週間で実現する変化ではない。

短期的な変化を実現したいのであれば、素早く消費者2の反応を理解して、自ら、ニュートラル・ON型のコミュニケーションを実現する必要があるだろう。

消費者2がTシャツという衣料に認める価値の下限水準まで価格を下げることが最も簡単な対処方法である。ピンキーマウスのキャラクターが不評であれば、消費者が認めるTシャツの下限価値を、ピンキーマウスのキャラクターがもたらす負の効果分割引く必要がある。また、価格の変更だけではなく、心から消費者が求める価格でTシャツを売る姿勢も必要になる。1,000円で仕入れた商品を250円にしても、売り手によっては売れなことがある。

とにかく着れれば良いというTシャツの衣服としての最低限の価値が500円だとすれば、500円であればピンキーマウスのTシャツは売れるかも知れない。ピンキーマウスのキャラクター・イメージが悪いのであれば、その分さらに割引いた400円あるいは300円であればピンキーマウスのキャラクターが付いていてもTシャツは売れるかも知れない。

この場合も、割引価格で売る消費者1の心理は、あくまでも、ニュートラルでなければならない。実際にピンキーマウスのTシャツを仕入れるために支払った原価を「埋没費用」として割り切れなければTシャツは売れないだろう。 (次回に続く)

【V.スピリット No.63より】

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