世界を変える会社の作り方~6~

~スタートアップ期(2年間)に生じる壁と対策~  会社とは何か、事業とは何か、お金とは何かといったことをお話したいと思います。  私は起業を決意して、行動を起こし、何度も何度も失敗を繰り返し、ようやく2年を乗り切った新米の経営者です。まだ成功しているわけではありませんが、私がなぜ起業をし、何に失敗し、何を学んだのかについて率直にお話することで、皆さんの将来の糧にしていただければ幸いです。

 トレーディング(短期売買)中心の現在の市場で儲かるのは、手数料を取る証券会社だけです。このような収益モデルにおいて証券会社が儲かるのは社会的な摩擦コストに過ぎません。

 そうではなく、ある会社を信じ、愛をもって投資をし、長期にわたってリターンを得る。そうしたインベストメント(長期投資)の発想が広がれば、社会的摩擦コストが減ると思います。そのための知識や情報を共有したいと考えているのです。

 日本経済の発展の本質は、終身雇用にありました。終身雇用の本質は、社会関係摩擦コストが極めて低いことです。つまり皆が、表面的によい会社へ次から次へと移っていっていたら、技術の承継、企業文化の醸成はなかった。UR(都市公団)の宣伝ではありませんが、「人が触れあい、こすれ合いながら、深まっていったこと」こそが、日本の発展の一番の原動力だったと思います。その意味で、人材派遣や転職市場の発展による人材の過剰流動性には、私はネガティブだし、生まれた子どもをすぐにベビーシッターに預けるウォール街の風潮は異常だと思います。社会的一体性が大事だと思うのです。

 証券・投資も同じです。企業と投資家(市民)が長くつきあう関係を構築してゆくことこそが長期でみた社会生産性を高めるのだと私は今、思っています。

 しかし私たちもまだまだビジネスプランを書き直す必要があります。永遠に書き続けることが仕事のような気がします。書いたものは、隠してはなりません。オープンにすることが大事です。あらゆる人に話し、フィードバックをもらうべきです。オープンにすることが価値向上につながります。

 そう考えると、特許って何のためにあるのだろうとも考えます。少なくとも個人的報酬ではありません。いつの世も報酬というのは内在的なものです。特許を取るぐらいの社会的インパクトがあるようなアイデアは、外的欲求、たとえばカネをくれるから発明するというロジックでは、なかなか生まれません。発明は内的に起こるもので、神様が授けてくれるものだと思います。要するに金銭的なインセンティブの担保のために特許があるというのもおかしいのです。

 そうすると、成長のための資源として、競合の事業スピードを押さえ、アイデアを現実化するための時間をケアしてあげますよ、というのが特許の本質なのだと思います。発明に対し、個人的に何百億くれというのはすごくナンセンスです。第一、そんなに使い切れないでしょう。

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