日本初にして唯一のエコ融雪装置『ゆりもっと』開発物語 第三回

2008.05.13

開発秘話

日本初にして唯一のエコ融雪装置『ゆりもっと』開発物語 第三回

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

北の都・札幌は冬場、どか雪に悩まされる。降り積もった雪を溶かす融雪装置だが、従来のものはムダの多さが欠点だった。「何とかムダをなくし、環境ダメージを抑えられないか」。エコで北海道を良くしたいと願う若手社長の熱い思いが生んだ画期的な装置が『ゆりもっと』だ。

第三回
「梅田望夫氏に押してもらったスイッチ」

■北海道をシリコンバレーに変えてやる

「そこにいたんですよ、梅田望夫さんが。ツアーの会食の席で、僕の隣に憧れの人が。こんなチャンスを逃すものかって、一緒にお酒を飲んで、根掘り葉掘りとことんお話を聞かせてもらいました」

入澤氏が参加したのはJTPA(Japan Technology Professional Associates)が主催したツアーである。ここでも氏は持って生まれた強運ぶりを発揮する。シリコン・バレーに働く日本人が企画するこのツアーはとても人気が高く、30人の募集に対して300人もの希望者が殺到する。そのわずか10人に1人のチャンスを入澤氏はしっかりと射止めるのだ。そして現地で、まさに自分をシリコン・バレーに呼び寄せた張本人と対面して話をする。

「梅田さんにきっちりとスイッチ入れてもらったんです。もう迷いはありません。日本に戻ったら会社を起こす。絶対にやってやるんだと。具体的にどんな事業をやるのかはまだ五里霧中状態でしたが、とにかくヤル気だけはまんまんの、まさにやる男君状態で帰国したんです」

会社を起こすなら一緒にやろうと父親から声をかけられた入澤氏は、あるアイデアを思いつく。父親の会社が手がけていたのがロード・ヒーティングの敷設工事である。道路に融雪装置を仕込んでおき、降雪状況に応じてボイラーを炊いて雪が根付かないうちに溶かす。雪の多い大都市・札幌ならではの必需品だ。

「マンションの駐車場などには絶対必要な設備なんですが、かなり無駄が多いんじゃないかとかねがね思ってたんです。これをケータイを使ってうまく操作できれば、無駄を抑えられると考えました。もし、これがうまくいけば余分な二酸化炭素を出さなくても済む。つまりエコにつながる。これだ、これしかないって」

ケータイについてのノウハウは入澤氏が熟知している。ロード・ヒーティングに関しての知識は、父親が長年培ってきたものがある。パートナーとなってくれそうな企業もある。話は一気に進みわずかに半年足らずで開発されたのが『ゆりもっと』、ケータイで融雪装置を遠隔する画期的なシステムだ。

「これで北海道を日本のシリコン・バレーにしてやる。そんな大それた夢を見ていました」

■特許申請で恵まれた望外な幸運
従来の融雪装置も雪が降ったときだけスイッチが入る仕組みは備えていた。降雪センサーがセットされていて、センサーが雪を感知した段階でボイラーが稼働する。しかし、ここに大きな欠陥があったのだ。

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