ミック・ジャガーに学ぶマーケティングセンス

2008.05.11

営業・マーケティング

ミック・ジャガーに学ぶマーケティングセンス

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

ミック・ジャガーといえばローリング・ストーンズ。一度ワールドツアーに出れば、世界中で600万人を動員するお化けロックバンドである。そのグループを50年近くまとめてきたボスのやり方から、何を学べるだろうか。

一時バンドメンバーの不仲説が出たときには、いち早くソロ活動に
打って出た。デビッド・ボウイとの共演など活動の幅を広げ、出すソ
ロアルバムをきちんとスマッシュヒットさせていく。これはおそら
く、他のメンバーに対するミック流の示威行為だったはずだ。ストー
ンズというブランドが持つ価値をミックは正確に理解しているのであ
る。その価値がまだまだ通じることもわかっている。だからミックは
「オレは一人でもやっていけるけれど、お前らはどうなんだい?」と
自らのソロ活動を通じて問いかけることで、他のメンバーが戻ってく
るのを待ったのだろう。

それ以降が実はビジネス的には、ストーンズの本当の黄金時代であ
る。MTVをいち早く活用、シングルを出すたびに凝ったプロモー
ションビデオを出し、アルバムをヒットさせる。アルバムを出すたび
にワールドツアーにも打って出る。ツアーはそれ自体が巨額の利益を
生み出すビジネスでありながら、アルバムのプロモーションにもなっ
ている。一石二鳥である。

3年に1枚ぐらいの割合で新作を出し、ツアーに出る。これでメン
バー一人当たり30億円から50億円ぐらいの稼ぎになる。いい商売で
ある。

では、そのミックのマーケティングマインドの根幹にあるのはどんな
ポリシーだろうか。月並みな言葉でしかないけれども、一つには冷徹
な自己認識に基づく徹底的な差別化、これがあると思う。そしてもう
一つ、極めて重要なのが、バンド名に込められた彼らのキーコンセプ
ト、いつも転がり続けること「Rolling stone gathers no moss」
ではないだろうか。

※文中の数字や史実関係については『Goethe』2006年4月号、
Wikipediaのローリングストーンズ、ミック・ジャガーの項を参考に
しました。

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