ステークホルダー重視型CSRが加速しない・・

2007.05.07

経営・マネジメント

ステークホルダー重視型CSRが加速しない・・

戸井 雄一朗
クイックウィンズ株式会社 代表取締役

CSRマネージメント体制構築を任された貴方。 しかし各部門から協力がなかなか得られません。 「今更CSR専門組織を立ち上げなくても、日頃から取り組んでいることばかりじゃないか。」との声。。

CSR推進のステップ


前回の記事ではステークホルダーを重視したCSRの潮流を御紹介しましたが、企業がCSRを推進していくにはどのようなステップを踏むべきでしょうか。そのアプローチは大まかに言うと以下の2つがあると思います。
(1)個別の推進テーマ対応を積み上げる、個別対応型アプローチ
(2)長期的/全社的CSR推進計画を打ち出すトップダウン的アプローチ
(1)はどちらかというと規模が小さく経営者とステークホルダーが近い関係にあり、個々の活動や事業の社会貢献度がステークホルダーに見えやすい状況にマッチしやすいアプローチです。
(2)は大企業にニーズが高いアプローチで、既存の個々の取り組みをより全社横断的な仕組みとして構築し、内外のステークホルダーに積極的にリーチしていく場合に必要なアプローチです。
今回は大企業が全社的な推進体制を構築する際に起こりがちな事象について書いてみたいと思います。
上記の(2)のアプローチ概要を図示すると以下のようになります。

最初に全社的推進体制の構築をするわけですが、この段階で早速困難に直面します。どんなPJも立上時は苦労しますよね。
環境/品質対策/顧客への対応等、具体的にCSRとして取り組むべきトピックも活動も何となく見えているのになかなか全社的な活動として社内外から受入れられずにフェードアウトする、といったことが多くあるのではないでしょうか。
体制構築時に必要なのは「新しく何かをやること」よりも、「今あるものをどうするか?」です。
CSR推進組織を一から作るのであれば、その役割分担も含めて非常に綺麗な切り分けの出来る組織構築が可能かもしれません。
モデル組織は下図のイメージでしょうか。

あくまで一例ですが、CSR推進室はCSR委員会を通じて、各CSRトピックの主幹部門の決定やその活動のモニタリングを含めたマネージメントを行います。特に環境、コーポレートガバナンス、リスク、コンプライアンスといった共通トピックを部門横断的に対応するコーディネーションを実施します。

全社的体制構築には障害がある


しかし、実際の体制構築においては簡単にCSR推進室が全体を調整するような形に持っていくのは非常に困難です。それは各部門/ラインで既に行っている取組が存在し、それをCSRという軸でのマネージメントサイクルに乗せることがなかなか出来ないからです。

ある企業で私が経験したプロジェクトでも同様の問題がありました。その時はCSRでは無く、リスクマネージメント(RM)部門を立ち上げるプロジェクトでしたが、構築すべき仕組みは同様のものです。そのRMではオペレーショナルリスクから、ファイナンシャルリスク、マネージメントリスク、コンプライアンスリスクまで広義の意味でのRMを構築することを目指していましたが、個々のリスクは個別の部門が既に対応をしており、「何で今更・・」といった部門からの抵抗が強く噴出したのです。

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